Teams|削除したメッセージは相手にも残りますか?見れる人は?

Teams|削除したメッセージは相手にも残りますか?見れる人は?

Teamsのチャット機能は、日々の業務で頻繁に利用される非常に便利なコミュニケーション手段です。しかし、誤ってメッセージを送ってしまったり、内容を訂正したくなったりした際に、「メッセージを削除」機能を使うことがありますよね。その時、「自分が削除したメッセージは、相手の画面からも消えるのだろうか?」「他の人には見られなくなるのか?」という疑問や不安を抱くのは当然のことです。

結論から申し上げると、Teamsであなたが送信したメッセージを「削除」した場合、原則として、そのメッセージはあなただけでなく、送信相手やチャット/チャネルのメンバーの画面からも消えます。 しかし、これにはいくつかの条件や例外、そして「管理者が見る可能性」という重要な側面が存在します。


 

Teamsでメッセージを「削除」した場合の基本的な挙動

あなたがTeamsで送信したメッセージを削除した場合の基本的な挙動は以下の通りです。

送信者と受信者、チャネルメンバーの画面から消える

  • 個別チャット(1対1チャット)の場合: あなたがメッセージを削除すると、あなた自身のチャット履歴からメッセージが消えるだけでなく、相手のチャット履歴からも同じメッセージが消えます。
  • グループチャットの場合: あなたがメッセージを削除すると、あなた自身のチャット履歴からメッセージが消えるだけでなく、そのグループチャットのすべてのメンバーの履歴からも同じメッセージが消えます。
  • チームのチャネル(標準チャネル、プライベートチャネル、共有チャネル)の場合: あなたがメッセージを削除すると、あなた自身のチャネル履歴からメッセージが消えるだけでなく、そのチャネルのすべてのメンバーの履歴からも同じメッセージが消えます。

 「メッセージは削除されました」という表示が残る場合がある

メッセージを削除した後、そのメッセージがあった場所に「このメッセージは削除されました」というテキストが残ることがあります。

  • 残るケース: 比較的最近送信されたメッセージや、返信スレッドの親メッセージ(最初のメッセージ)を削除した場合など、文脈の連続性を保つためにこの表示が残ることが多いです。
  • 完全に消えるケース: 単独の短いメッセージなど、状況によってはこの表示も残らず、完全に空白になることもあります。

この「メッセージは削除されました」という表示が残ることで、相手は「何かメッセージが送られてきて、それが削除された」という事実を知ることはできますが、元のメッセージ内容を閲覧することはできません。

編集履歴が削除されるわけではない

もしあなたがメッセージを一度編集してから削除した場合、元のメッセージの内容も削除されます。メッセージの編集履歴自体が第三者に公開されることはありませんが、内部的には記録される可能性はあります(後述の管理者によるアクセスを参照)。


 

「見れる人」の範囲と「管理者」の役割

メッセージを削除した場合、Teamsアプリの通常のインターフェースからは、あなたも相手も、そしてチャネルメンバーもそのメッセージを閲覧することはできなくなります。しかし、組織の「管理者」は、異なる方法で削除されたメッセージにもアクセスできる可能性があります。

 

一般的なユーザーやチームオーナーの視点

  • 通常のユーザー: 自分が送信したメッセージを削除すれば、自分と相手(またはチャネルメンバー)の画面からは消え、通常の手段では見られなくなります。他のユーザーが送信したメッセージを、あなたが削除することはできません(編集・削除権限を持つメッセージの場合を除く)。
  • チームオーナー: チームオーナーは、自分がオーナーを務めるチャネル内で、他のメンバーが送信したメッセージも削除する権限を持つ場合があります(設定による)。オーナーが削除した場合も、上記と同様にすべてのメンバーの画面からメッセージは消えます。しかし、オーナーであっても、ユーザーが削除したメッセージを通常のTeamsインターフェースから「復元」したり、「閲覧」したりすることはできません。

 

組織の管理者(IT管理者、Microsoft 365管理者)の視点:技術的なアクセス

これが最も重要なポイントです。組織のMicrosoft 365環境全体を管理する立場にある管理者(例: グローバル管理者、コンプライアンス管理者、Exchange管理者、SharePoint管理者など)は、ユーザーが削除したTeamsチャットメッセージにも、技術的にアクセスすることが可能です。

  • なぜアクセスできるのか?
    • データ保持ポリシー: 多くの企業では、法的規制(例: 金融業界の記録保持義務)や社内ポリシーに基づき、Teamsチャットの履歴を含むあらゆるデータを一定期間保持する設定(データ保持ポリシー)をしています。ユーザーがメッセージを削除しても、そのメッセージはMicrosoft 365のバックエンドシステム(Exchange OnlineやSharePoint Onlineの復元可能なアイテムフォルダなど)に、このポリシーで定められた期間保存され続けます。これは「ソフトデリート」のような状態です。
    • 電子情報開示(eDiscovery): Microsoft 365は、法的訴訟や内部調査に備えて、指定されたキーワードや期間に基づき、削除されたチャット履歴を含むあらゆるデータを収集・分析できる「電子情報開示(eDiscovery)」機能を備えています。管理者はこの機能を利用して、削除されたメッセージを検索し、抽出することができます。
    • 監査ログ: ユーザーがメッセージを削除したという行為自体が、Microsoft 365の監査ログに記録されます。これにより、管理者は誰が、いつ、どのメッセージを削除したかを確認することができます。
  • 管理者がアクセスする目的:
    • 管理者は、個々のユーザーの削除済みメッセージを日常的に監視したり、閲覧したりすることはありません。膨大な量のデータであり、そのような行為は業務の非効率化とプライバシー侵害のリスクを伴うためです。
    • 管理者が削除済みメッセージにアクセスするのは、以下のような「特別な目的」がある場合に限定されます。
      • 法的調査や訴訟対応: 裁判所からの命令や法的調査の要請があった場合。
      • セキュリティインシデント調査: 企業秘密の漏洩、不正行為、ハラスメント、セキュリティ侵害などが疑われる場合に、証拠を特定するため。
      • コンプライアンス監査: 業界規制や社内ポリシーが遵守されているかを確認するため。
      • 重要な情報回復: ごく稀に、業務上非常に重要なメッセージが誤って削除され、その回復が強く求められる場合。
    • 管理者は、Teamsアプリから直接メッセージを見るのではなく、Microsoft Purview コンプライアンス ポータルなど、専用の管理ツールや監査ツールを使用してアクセスします。

 

 削除されたメッセージに関する具体的なシナリオと注意点

いくつかの具体的なシナリオを通じて、削除されたメッセージの挙動と、それに関する注意点を見ていきましょう。

シナリオ1:送信直後の誤字脱字を削除・訂正

  • 挙動: 送信者がメッセージを削除すると、自分と相手の画面からそのメッセージがすぐに消え、「このメッセージは削除されました」と表示されます。
  • 注意点: この場合は、元のメッセージ内容は誰にも見られることはありません(管理者による特殊なアクセスを除く)。しかし、削除されたという事実は残ります。

シナリオ2:不適切な内容を送信して慌てて削除

  • 挙動: 送信者がメッセージを削除すると、通常のTeamsインターフェースからは消えます。
  • 注意点: たとえすぐに削除したとしても、そのメッセージは組織のデータ保持ポリシーに従って、バックエンドシステムに一定期間保存されている可能性が非常に高いです。そのため、後日、管理者による調査や電子情報開示の対象となる可能性があります。「削除すれば完全に痕跡が消える」という認識は危険です。

シナリオ3:会議後にチャットの内容を整理するために削除

  • 挙動: 会議のチャット履歴から、関係者が不要なメッセージを削除した場合、そのメッセージは通常の表示からは消えます。
  • 注意点: 会議のチャットも、チャネルチャットと同様にSharePoint Onlineに保存されるため、組織のポリシーによっては、削除された後も一定期間はデータが保持されます。

 

ユーザーとして「削除」機能を利用する上での心がまえ

Teamsの「削除」機能は、手軽に誤送信を訂正できる便利な機能ですが、その限界と企業のデータ管理ポリシーを理解しておくことが非常に重要です。

「完全な消去」ではないことを理解する

  • ユーザーがTeamsアプリ上で行う「削除」は、画面上からメッセージを見えなくするものであり、バックエンドシステムから完全にデータを消去するものではない、という認識を持つことが最も重要です。
  • 特にビジネス環境においては、送受信されたすべてのコミュニケーションが業務記録の一部となり得るという意識が必要です。

 

機密性の高い情報や不適切な内容は「そもそも送らない」

  • もしチャットに記録されるべきではない、あるいは後で問題となる可能性のある内容(企業秘密、個人情報、誹謗中傷、ハラスメントなど)であれば、そもそもTeamsチャットで送るべきではありません。
  • 「削除すれば大丈夫」という安易な考えは捨て、送信する前に内容を十分に吟味することが求められます。

 

 会社の情報セキュリティポリシーを確認する

  • あなたの会社がTeamsチャットの履歴に関してどのようなデータ保持ポリシーを設定しているのか、また、どのような場合にチャット履歴が監査や調査の対象となるのかを、事前に情報システム部門やコンプライアンス部門に確認しておくことをお勧めします。
  • 多くの企業では、情報セキュリティポリシーにおいて、不適切なコンテンツの送信や、意図的な証拠隠滅を禁止しています。

 状況に応じたコミュニケーション手段の選択

  • 非常に機密性が高く、書面で残すべきではない議論(例: 人事評価のデリケートな相談、未発表の経営戦略など)は、Teamsのチャットではなく、口頭での会議(対面または音声のみの会議)、あるいは別途、高度なセキュリティ対策が施された専用のツールを利用することを検討しましょう。
  • 「記録に残すべきもの」と「記録に残すべきではないもの」を区別する意識を持つことが重要です。

 

Teamsチャットの削除とプライバシー

Teamsでメッセージを削除すると、原則として、あなたと送信相手(またはチャネルメンバー)の画面からはそのメッセージが消えます。これは、日常的なコミュニケーションにおける利便性を高めるための機能です。

しかし、そのメッセージは、組織の「管理者」によって、特定の目的(法的要請、セキュリティ調査、コンプライアンス監査など)のために、後からアクセスされる可能性があるという事実を理解しておく必要があります。これは、Microsoft 365のデータ保持ポリシーと電子情報開示(eDiscovery)機能によって実現されています。

したがって、Teamsのチャットは、常に「会社の公式なコミュニケーション記録の一部」であるという意識を持って利用することが極めて重要です。「削除すれば完全に消える」という誤解を捨て、送信する内容に責任を持つことが、安全で健全なデジタルワークプレイスを築く上で不可欠です。