Power AutomateとTeamsで新着ニュース記事の要約とTeamsへの投稿!作り方を分かりやすく説明
「業界の最新ニュースを効率よくキャッチアップしたい」「大量のニュースの中から、本当に重要な記事を見つけるのが大変」「重要なニュースを社内に共有する際、毎回手動で要約して送るのが手間」。日々膨大な情報が飛び交う現代において、必要なニュースを素早く把握し、チームや社内に共有することは、ビジネス戦略を立てる上で非常に重要です。しかし、手動での情報収集、選別、要約は、時間と労力がかかり、見落としのリスクも伴いがちですよね。
Power AutomateとTeams、そしてニュース記事を収集するRSSフィードやAIサービスを組み合わせることで、新着ニュース記事を自動で検知し、その内容を要約してTeamsチャネルに自動で投稿する仕組みを構築できます。これにより、情報収集の効率とスピードを格段に上げ、見落としを防ぎ、チームの迅速な意思決定を支援できますよ。
なぜ新着ニュース記事の要約とTeams投稿が大切なの?
ニュース記事の迅速な収集、要約、共有は、企業の競争力を高め、情報に基づく意思決定を強化する上で不可欠です。この自動化がもたらす具体的なメリットについて、一緒に見ていきましょう。
リアルタイムな情報把握で、市場の変化に素早く対応できるから
業界のトレンド、競合他社の動向、技術革新に関するニュースなど、ビジネスに影響を与える情報は常に更新されています。手動でニュースサイトを巡回していては、タイムラグが生じ、重要な情報を見落とす可能性があります。自動収集と要約システムは、記事が公開された時点で即座に検知し、要点をまとめてTeamsに通知するため、市場の変化に素早く対応し、ビジネスチャンスを逃しません。
役立つ情報だけを効率よくキャッチアップできるから
膨大なニュース記事の中から、本当に自社に関連する、価値のある記事を見つけ出すのは大変な作業です。さらに、その内容を読み込み、要約する作業はさらに時間がかかります。自動要約システムは、設定したキーワードに基づいて記事をフィルタリングし、AIが自動で要約するため、担当者は本当に役立つ情報だけを効率よくキャッチアップできます。これにより、情報過多による非効率を解消し、情報収集の質を高められるでしょう。
担当者の情報収集・整理・共有の負担を大幅に削減できるから
ニュースサイトの巡回、記事の選別、要約文の作成、Teamsへの投稿といった作業は、手間がかかるルーティンワークです。自動化システムを導入することで、これらの作業から解放され、担当者は収集した情報の分析、戦略立案、または対外的なコミュニケーションといった、より価値の高い業務に集中できるようになります。これにより、日々の業務に時間的な余裕が生まれ、生産性もぐっと上がりますよ。
チームや社内への情報共有がスムーズになり、意思決定を支援できるから
重要なニュース記事が要約された形でTeamsに自動投稿されることで、関係者全員がその情報を素早く把握できます。これにより、部署間の情報格差が解消され、共通の認識を持って議論できるようになります。役員やマネージャーも、簡潔な要約を見るだけで状況を把握できるため、迅速な意思決定を強力に支援できるでしょう。
構築システムの準備を始めよう
新着ニュース記事の要約とTeams投稿システムを作る前に、いくつか確認し、準備しておくべきことがあります。これらを事前に整理しておくことで、スムーズに自動化を進められます。
収集したい「ニュース記事」の「情報源」を特定しよう
Power Automateがニュース記事を検知するためには、その記事がどこで公開されるのかを明確にする必要があります。
RSSフィードを提供しているニュースサイト/ブログ(最も推奨)
- 多くの大手ニュースサイト、業界専門メディア、企業ブログなどは、RSSフィードと呼ばれる更新情報を提供しています。これが最も簡単で確実な情報収集方法です。
- 例: ヤフーニュースのトピックス、日経新聞のRSS、特定の業界団体のブログなど。
RSSフィードを提供していない一般的なニュースサイト/ウェブサイト(高度):
- 特定のニュースポータルサイトや、企業のニュースリリースなど、RSSフィードがないウェブページの更新を検知したい場合。
- この場合、Power AutomateのHTTPコネクタやHTML解析アクション(高度)を使用して、ページのコンテンツ自体が変更されたかどうかを比較することで検知します。
ニュース記事の「要約方法」を決めよう
要約された内容をTeamsに投稿するため、どのように記事の要約を生成するかを決めます。
AIによる自動要約(推奨)
- Azure AI LanguageなどのAIサービスを活用し、記事の本文を自動で分析・要約させます。この方法が最も手間がかからず、効率的です。
- メリット: 人手を介さず、大量の記事を自動で要約できる。
記事の冒頭部分を抜粋
- RSSフィードの
SummaryやDescriptionフィールドを利用するか、HTTPで取得した本文の最初の数行を切り抜いて表示します。 - メリット: 実装が簡単。ただし、必ずしも要約になっているとは限りません。
共有先のTeamsチャネルを決めよう
要約されたニュース記事を、どのTeamsチャネルに表示したいのかを決定します。
ニュース共有ハブチャネル
ニュース速報、業界ニュース、経営会議_情報共有など、目的と対象範囲に応じたTeamsチャネルを作成し、関係者全員(営業、マーケティング、経営企画、役員など)がそのチャネルに参加していることを推奨します。
特定の部門チャネル(オプション)
特定のテーマ(例: 技術ニュース)であれば、開発部_技術情報チャネルに通知するなど、情報を絞って共有したい場合に利用します。
個人チャット(オプション)
非常に緊急性の高いニュースの場合、特定の担当者や役員に個人的に通知したい場合に利用します。
投稿する「メッセージ内容」を考えよう
自動でTeamsに投稿されるメッセージは、簡潔かつ分かりやすく、ニュースの内容が把握しやすいように工夫しましょう。
- 件名:
【速報:AI要約】〇〇に関する最新ニュースのように、情報源と要約済みであることがわかるようにします。 - ニュースタイトル: 元の記事のタイトル。
- 公開日時: 記事が公開された日時。
- 要約: AIが生成した要約文、または抜粋した概要。
- 元の記事へのリンク: 必ず元のニュース記事への直接リンクを含めます。
- 重要度: Power AutomateのTeamsアクションで「重要度」を「標準」または「重要」に設定することを検討しましょう。
必要な「権限」を確認しよう
Power Automateでフローを作成し、ニュース記事のコンテンツを取得し、AIサービスを利用し、Teamsにメッセージを送信するためには、フローを実行するアカウントが適切な権限を持っている必要があります。
- RSSフィード/Webサイトへのアクセス権: 公開情報であれば通常は問題ありません。
- Azure AI Languageサービスへのアクセス権: AIサービスを利用するために、そのサービスへのAPIキーやエンドポイント、適切な認証情報が必要です。
- Teamsチャネル/チャットへのメッセージ投稿権: 投稿先のTeamsチャネルまたは個人チャットへのメッセージ投稿権限が必要です。
Power Automateで自動化を設定しましょう(基本編)
Power Automateを使って新着ニュース記事の要約とTeams投稿フローを作成していきます。RSSフィードで新しい記事を検知し、Azure AI Languageで要約してTeamsチャネルへ自動通知する基本的なフローから見ていきましょう。
フローを作成する場所を決めましょう
Power Automateのウェブサイトにアクセスし、左側のメニューから「作成」を選択します。今回は、特定のイベント(RSSフィードの更新)が発生したときに自動的に実行されるフローなので、「自動化したクラウド フロー」を選択します。
トリガーを設定しましょう
フローのトリガーとは、「いつ」このフローを実行するかを決定するものです。ニュース記事の新着を検知するため、「RSS フィード項目が公開されるとき (RSS)」というトリガーが最適です。
作成例1:RSSフィード新着記事をAIで要約し、Teamsチャネルに自動投稿
このフローは、特定のニュースサイトのRSSフィードに新しい記事が公開されたことを検知し、その記事の本文をAzure AI Languageで要約し、その要約をTeamsチャネルに自動で投稿します。
- Power Automateにサインインします。お使いのMicrosoft 365アカウントでPower Automateのウェブサイトにアクセスし、サインインします。
- 「作成」から「自動化したクラウド フロー」を選択します。左側のナビゲーションペインにある「作成」をクリックし、表示されるオプションの中から「自動化したクラウド フロー」を選択します。
- フロー名を指定し、トリガーを選択します。フロー名には「ニュース要約_Teams投稿」など、分かりやすい名前を付けます。
「フローのトリガーを選択してください」の検索ボックスに「RSS」と入力し、「RSS フィード項目が公開されるとき (RSS)」を選択して「作成」をクリックします。
- トリガーの詳細を設定します。
- RSS フィード URL: 通知したいニュースサイトやブログのRSSフィードのURLを入力します(例:
https://news.yahoo.co.jp/rss/topics/business.xml)。 - 間隔: Power AutomateがRSSフィードをチェックする頻度を設定します(例: 「
1」時間、「時間」)。
- RSS フィード URL: 通知したいニュースサイトやブログのRSSフィードのURLを入力します(例:
- 新しいステップを追加し、記事の本文(または概要)を取得します。AI要約には、要約したいテキストが必要です。RSSフィードのSummaryやDescriptionを利用するか、元の記事のURLにHTTPリクエストを送って本文全体を取得します(後者は高度)。ここではSummaryを利用します。
- 「作成」アクション:
- 名前:
ArticleTextToSummarize - 入力:
@{triggerOutputs()?['body/Summary']} - 補足:
Summaryフィールドが短い場合、より詳細な要約を得るには元の記事URLからHTTPリクエストで本文全体を取得する応用が必要です(後述)。
- 名前:
- 「作成」アクション:
- 新しいステップを追加し、「Azure AI Language」コネクタの「要約 (V3)」アクションを追加します。
- 補足: AzureサブスクリプションでAzure AI Languageリソースを作成し、APIキーとエンドポイントを設定しておく必要があります。
- テキスト:
@{outputs('ArticleTextToSummarize')?['body']}(前のステップで用意した記事のテキスト) - 言語: 「
ja」を選択します(日本語の場合)。 - 抽出タイプ: 「
抽出された概要」を選択します。 - 最大センテンス数: 要約の文数を指定します(例:
3。役員向けなら1~2文でも)。
- 新しいステップを追加し、Teamsにメッセージを投稿します。「+ 新しいステップ」をクリックし、検索ボックスに「Teams」と入力し、「チャットまたはチャネルにメッセージを投稿する (Teams)」を選択します。
- 投稿者: 「Flow bot」を選択します。
- 投稿先: 「チャネル」を選択します。
- チーム: 通知を投稿したいTeamsのチームを選択します(例:
ニュース共有ハブ)。 - チャネル: 投稿したいチャネル(例:
ニュース速報、経営会議_情報共有)を選択します。 - メッセージ: ここに投稿したいメッセージ内容を記述します。要約結果と元の記事情報を動的なコンテンツとして挿入できます。
【✨新着ニュース:AI要約】 新しい記事が公開されました。AIが要約しましたので、ご確認ください。 **タイトル:** @{triggerOutputs()?['body/Title']} **公開日:** @{formatDateTime(triggerOutputs()?['body/PublishedOn'], 'yyyy/MM/dd HH:mm')} **【AIによる要約】** @{outputs('要約')?['body/documents'][0]?['sentences'][0]?['text']} @{outputs('要約')?['body/documents'][0]?['sentences'][1]?['text']} @{outputs('要約')?['body/documents'][0]?['sentences'][2]?['text']} (指定した文数分の要約されたテキストを羅列します。要約されない場合もあるため、エラーハンドリングや条件分岐を検討しましょう。) ▼元の記事を読む [記事を開く]@{triggerOutputs()?['body/PrimaryLink']}- 補足:
Title、PublishedOn、PrimaryLinkはRSSトリガーの出力です。outputs('要約')?['body/documents'][0]?['sentences'][0]?['text']はAIが生成した要約の各文です。
- 補足:
- 重要度: 「重要」を選択します。
- フローを保存してテストします。画面右上の「保存」をクリックします。
保存後、「テスト」をクリックし、「手動」を選択して「テスト」をクリックします。
- 補足:RSSフィードのトリガーは、フロー作成後に新しい記事が公開されるのを待つのが確実なテスト方法です。Power Automateのフロー実行履歴を確認し、Teamsの指定チャネルに要約されたニュースが投稿されていることを確認します。
アクションを設定しましょう
トリガーが発動したら、次に「何を」するのかを設定します。これがアクションです。
RSSアクション
「RSS フィード項目が公開されるとき」: 特定のRSSフィードに新しい記事が公開されたことを検知するトリガー。
データ操作アクション
「作成」: 要約したいテキストを準備するために使用します。
Azure AI Languageアクション
「要約 (V3)」: 入力されたテキストをAIが自動で要約します。
Teamsアクション
- 「チャットまたはチャネルにメッセージを投稿する」: 要約されたニュースをTeamsチャネルに投稿します。
- 「重要度」の設定: このアクションの設定項目の中に、「重要度」というドロップダウンがあります。ニュースの重要性に応じて「重要」を選択することを検討しましょう。
通知メッセージをカスタマイズしましょう
メッセージの内容は、動的なコンテンツを利用して、記事タイトル、公開日、AIによる要約、そして元の記事へのリンクなどを自動的に埋め込むことができます。
- 記事タイトル:
Title(RSSトリガー) - 公開日:
PublishedOn(RSSトリガー) - AI要約:
outputs('要約')?['body/documents'][0]?['sentences'][0]?['text']など - 元の記事へのリンク:
PrimaryLink(RSSトリガー)
これらの情報を適切に配置することで、Teamsのメンバーが、何のニュースが、いつ公開され、その要点が何か、そして詳細を確認するにはどうすればよいかを、一目で把握できるように工夫しましょう。
Power Automateで自動化を設定しましょう(応用編)
基本編で作成したフローをさらに便利にするための応用テクニックを見ていきましょう。
記事の本文全体を取得して要約する(より詳細な要約のため)
RSSフィードのSummaryやDescriptionだけでは要約には不十分な場合、元の記事のURLにHTTPリクエストを送って本文全体を取得し、それをAIで要約します。
作成例2:記事の本文全体を取得して要約するPower Automateフロー(高度)
このフローは、HTTPリクエストとHTML解析が必要になります。
- 基本編のフロー(ニュース要約_Teams投稿)を開きます。
- ステップ5(「作成」アクション
ArticleTextToSummarize)の前に、新しいステップを追加します。- 「HTTP」アクション:
- 方法: 「
GET」 - URI:
@{triggerOutputs()?['body/PrimaryLink']}(元の記事のURL)
- 方法: 「
- 「HTML からテキストを抽出する (Content Conversion)」アクション:
- コンテンツ: HTTPアクションの
本文を選択します。 - HTML to text:
CSS Selectorを選択し、記事の本文が含まれるHTML要素のCSSセレクターを入力します(例:article .entry-content、div.main-contentなど)。 - 補足: これが最も難しい部分です。各ニュースサイトのHTML構造は異なるため、ブラウザの開発者ツールで正確なセレクターを見つける必要があります。
- コンテンツ: HTTPアクションの
- 「HTTP」アクション:
- ステップ5の「作成」アクション
ArticleTextToSummarizeの入力を修正します。- 入力: 「HTML からテキストを抽出する」アクションの
出力を選択します。
- 入力: 「HTML からテキストを抽出する」アクションの
- フローを保存してテストします。テスト用の記事で、HTML抽出とAI要約が正しく機能することを確認します。
感情分析を活用し、ポジティブ/ネガティブなニュースを区別して通知する
記事の感情(ポジティブ、ネガティブ、中立)をAIサービスで分析し、ネガティブなニュースがあった場合は緊急度を上げて通知するなど、対応を分岐させます。
作成例3:感情分析を活用し、ポジティブ/ネガティブなニュースを区別して通知するPower Automateフロー(高度)
この機能は、Azure AI Languageサービスが必要です。
- 基本編のフロー(ニュース要約_Teams投稿)を開きます。
- ステップ6(「要約」アクション)の後に、新しいステップを追加します。
- 「Azure AI Language」コネクタの「感情分析 (V3)」アクションを追加します。
- テキスト:
@{outputs('ArticleTextToSummarize')?['body']}(要約前の記事本文全体、または要約後のテキスト) - 言語: 「
ja」を選択します。
- テキスト:
- 「Azure AI Language」コネクタの「感情分析 (V3)」アクションを追加します。
- 新しいステップを追加し、感情スコアに基づいてTeamsへの通知を分岐します。
- 「条件」アクション:
- 左側の値: 「感情分析」アクションの
Negative scoreを選択します。 - 演算子: 「次の値より大きい」
- 右側の値:
0.5(ネガティブ判定の閾値。調整可能)
- 左側の値: 「感情分析」アクションの
- 「条件」アクション:
- 「はい」のパス(感情がネガティブな場合)に、Teams通知アクションを移動し、設定を変更します。
- 重要度: 「重要」または「緊急」に設定します。
- メッセージ: 件名に「【🚨リスクアラート】」を追加し、通知先を特定の管理部門のチャネルや個人チャットにも追加通知することも検討します。
- 「いいえ」のパス(感情がポジティブまたは中立な場合)に、既存のTeams通知アクションを移動し、設定を変更します。
- 重要度: 「標準」に設定します。
- メッセージ: 通常の通知内容。
- フローを保存してテストします。ネガティブな内容を含むテスト記事を投稿し、Teamsで「緊急」通知が届くことを確認します。ポジティブな記事の場合も、通常の通知が届くことを確認します。
特定のキーワードを含むニュースのみを要約・通知する
全ての新着記事を要約するのではなく、設定したキーワード(例: 自社名、製品名、競合名)を含む記事のみを対象にすることで、関連性の高い情報に絞って通知します。
作成例4:特定のキーワードを含むニュースのみを要約・通知するPower Automateフロー
基本編のフローに、キーワードによるフィルタリング条件を追加します。
- 基本編のフロー(ニュース要約_Teams投稿)を開きます。
- トリガー(RSS フィード項目が公開されるとき)の後に「条件」アクションを追加します。「+ 新しいステップ」をクリックし、「条件」を検索して選択します。
- 条件を設定しましょう。
- 左側の値:
@{triggerOutputs()?['body/Title']}(記事のタイトル) - 演算子: 「次の値を含む」を選択します。
- 右側の値: 「
自社名」または「製品名」など、通知したいキーワードを入力します。 - (オプション)追加条件(OR): 記事の概要 (
Summary) や本文(もし取得していれば)も対象に含めます。
- 左側の値:
- ステップ6以降の「要約」アクションとTeams通知アクションを、この条件の「はい」のパスの中に移動させます。
- フローを保存してテストします。キーワードを含む記事のみが要約され、Teamsに通知されることを確認します。
エラー対策とトラブルシューティングを確認しましょう
Power Automateフローは、確実に動作することが求められます。特にニュース記事の自動要約と通知は、情報収集の基盤となるため、信頼性が非常に重要です。よくあるエラーとその対策、そしてトラブルシューティングのポイントをご紹介します。
権限不足/認証エラーが出た場合
「アクセスが拒否されました」や「認証に失敗しました」といったエラーメッセージが表示される場合、Power AutomateのRSSコネクタやAIサービスコネクタの認証が切れているか、必要な権限が付与されていない可能性があります。
- 対策: Power Automateの「データ」→「接続」で、関連するコネクタ(RSS、Azure AI Languageなど)の接続が「認証済み」になっているか確認しましょう。もしエラーになっている場合は、「接続の編集」から再認証してください。
AIサービスのAPI制限や文字数制限に達した場合
Azure AI LanguageなどのAIサービスには、API呼び出し回数や、一度に処理できるテキストの文字数に制限があります。特に大量の記事や長い記事を処理する場合に発生しがちです。
- 「要約」アクションの「最大センテンス数」を調整: 必要以上に長い要約を求めないように設定しましょう。
- テキストの文字数制限: 「作成」アクションで要約対象のテキストを作成する際に、
substring()関数などで本文の長さを制限し、APIの制限内に収めるようにしましょう。 - エラーハンドリング: AIアクションが失敗した場合に備え、「構成の実行後」で「失敗した場合も実行」を設定し、次のステップでエラー通知を出すようにしましょう。
- Azure AIのプラン確認: 利用しているAzure AI Languageサービスの料金プランを確認し、必要であれば上位プランへの変更を検討しましょう。
通知がTeamsに届かない場合(フローは成功しているのに)
Power Automateの実行履歴ではフローが「成功」しているのに、Teamsに通知が届かない場合があります。
- Teamsの通知設定: 受信側のTeamsで、Flow botからの通知がブロックされていないか、ミュートされていないかなどを確認してください。
- チャネルの選択ミス: 「チャットまたはチャネルにメッセージを投稿する」アクションで、意図したチャネルが正しく選択されているか、タイプミスがないかを再確認しましょう。
- 接続の正常性: Power Automateの「データ」→「接続」で、Teamsへの接続が正常に確立されているかを確認しましょう。
フローの履歴を確認しましょう
エラーが発生した場合や、フローが意図通りに動作しない場合は、Power Automateのフロー実行履歴を確認することが最も重要ですされます。
手順
- Power Automateの「マイ フロー」から、該当のフローを選択します。
- 「実行履歴」タブをクリックします。
- 失敗した実行、または成功したものの動作が怪しい実行を選択すると、フローの各ステップがどのように処理され、どこでエラーが発生したか、そして入力/出力データやエラーメッセージの詳細を確認できます。
ポイント: 各アクションの「入力」と「出力」を確認することで、どのデータがどのように処理され、どこで問題が発生したのかを詳細に把握できます。特に「要約」アクションの入力テキストと出力結果、Teamsへの投稿メッセージが期待通りに構成されているかを確認しましょう。
セキュリティとアクセス管理を確認しましょう
ニュース記事の自動要約と通知は、企業の情報収集に関わるため、セキュリティとアクセス管理に十分な配慮が必要です。
監視対象のニュースサイトやブログを慎重に選定しましょう
- 情報公開の範囲: 収集する情報が公開されている情報であることを確認しましょう。非公開の購読記事などを不正に取得しないように注意してください。
- API利用規約の遵守: 各サービス(RSS、X、AIサービスなど)の利用規約や開発者ポリシーを遵守し、倫理的かつ合法的な方法で情報を収集しましょう。
Teamsチャネルの権限設定を適切にしましょう
要約されたニュース記事が送信されるTeamsチャネルのメンバーシップも適切に管理しましょう。
- プライベートチャネルの利用: 機密性の高い業界情報や競合情報を含む場合は、必ず「プライベート」チャネルとし、必要なメンバーのみを招待しましょう。
- パブリックチャネルの利用: 一般的なニュースや業界トレンドであれば、パブリックチャネルも有効です。
フローの作成と実行権限を管理しましょう
この自動化フローは、企業の重要な情報を扱うため、不用意に作成・変更・実行できないように、適切な権限管理が必要です。
- フロー作成者の制限: 重要なフローの作成権限は、広報部、マーケティング部、経営企画部などの担当者や特定のシステム管理者にのみ付与することを検討しましょう。
- 共有の最小化: フローを他のユーザーと共有する際は、実行のみの権限に限定し、共同所有者としての共有は慎重に検討しましょう。共同所有者はフローを編集できるため、意図しない変更のリスクがあります。
- サービスアカウントの利用: フローの実行アカウントが個人アカウントではなく、専用のサービスアカウントであれば、個人の人事異動や退職の影響を受けにくく、権限管理も一元化しやすいでしょう。
まとめ
ここまで、Power AutomateとTeams、そしてRSSフィードやAIサービスを組み合わせることで、新着ニュース記事の要約とTeamsへの投稿を自動化する方法について、基本的な設定から応用、エラー対策、そしてセキュリティとアクセス管理まで、詳細に解説してきました。
この自動化されたシステムは、ニュース記事の見落としを防ぎ、情報収集・整理の負担を軽減し、迅速な意思決定を支援するための強力なツールとなるでしょう。結果として、情報活用の効率化と、企業の競争力向上に大きく貢献できます。
まずは、この記事で紹介した基本的なフローを実際に作成し、ご自身の環境で試してみてください。そして、貴社の情報収集ニーズや、情報共有の戦略に合わせて、応用編で紹介した機能を追加したり、さらに独自のカスタマイズを加えたりすることで、より洗練されたニュース情報共有システムを実現できるはずです。
次のステップとして、以下のようなことを検討してみてはいかがでしょうか?
- Power BIでのニュース分析ダッシュボード: 収集したニュース記事のデータ(タイトル、要約、キーワード、感情スコア)をSharePointリストなどに記録し、Power BIで可視化することで、トピックの傾向、特定のキーワードの出現頻度、感情分析の推移などをダッシュボードで一目で確認できるようにしましょう。Teamsにタブとして埋め込むと便利です。
- 複数情報源からの集約: 複数のRSSフィード、X(旧Twitter)のキーワード、さらには特定のWebサイトのコンテンツ変更などを組み合わせて、より多角的な情報収集ハブを構築しましょう。
- 関係者へのアクション誘導: 要約されたニュース通知に、「この件について議論する」「関連資料を共有する」といったボタンをアダプティブカードで埋め込み、Teams内で次のアクションへシームレスに誘導しましょう。
- 社内ナレッジベースとの連携: 要約されたニュース記事を自動で社内ナレッジベース(例: SharePointのWikiページ)に保存し、検索可能な情報資産として蓄積する仕組みを検討しましょう。
Power Automateの可能性は無限大です。ぜひこの強力なツールを使いこなし、貴社の情報活用と業務効率化を次のレベルへと引き上げてみてください。

