TeamsとPower Automate連携で契約書送付を自動化をしたい!作り方を分かりやすく説明

Power AutomateとTeamsで契約書送付を自動化する

「契約書ファイルをメールに添付して、毎回手動で送るのが大変」「送付漏れや、誤ったバージョンのファイルを送ってしまうリスクがある」「送付状況の管理が煩雑で、確認に時間がかかる」。契約書はビジネスにおいて非常に重要な書類であり、その送付プロセスは、スピードと正確性が求められますよね。

Power AutomateとTeams、そして契約書ファイルを管理するSharePointやOneDriveを組み合わせることで、契約書ファイルの準備からお客様への送付、そしてその後の状況管理までを自動化する仕組みを構築できます。


なぜ契約書送付を自動化することが大切なの?

契約書を正確かつ迅速にお客様へ送付することは、ビジネスの機会を捉え、法的リスクを回避するために不可欠です。この自動化がもたらす具体的なメリットについて、一緒に見ていきましょう。

送付プロセスが迅速化し、ビジネスチャンスを逃さないから

契約書がお客様の元に届くまでの時間は、ビジネスのスピードに直結します。手動での送付では、ファイルの準備、メール作成、送信といったステップに時間がかかり、特に大量の契約書を扱う場合、ボトルネックになりがちです。自動化システムは、契約書が特定のフォルダに保存されたり、承認されたりした時点で、即座に送付プロセスを開始します。これにより、契約締結までのリードタイムを短縮し、迅速なビジネス推進を可能にするでしょう。

送付漏れや誤送信のリスクを大幅に減らせるから

手動で契約書を送付する際、誤ったファイルを添付したり、リストから送信先が漏れたり、古いバージョンを送ってしまったりするミスは、企業の信頼性に関わる重大なリスクとなります。自動送付システムは、事前に設定されたファイルと宛先に正確にメールを作成・送信するため、これらの人的ミスを徹底的に排除し、送付の確実性を高めます。

営業・法務部門の負担が大幅に軽減されるから

契約書の送付は、毎回同じような手順を踏む定型的な作業です。メール作成、添付ファイルの確認、顧客情報の入力といったルーティンワークは、担当者の貴重な時間を奪います。自動送付システムを導入することで、これらの作業から解放され、担当者は契約内容の精査、顧客との交渉、戦略的な営業活動といった、より価値の高い業務に集中できるようになります。

送付状況の透明性が高まり、管理がスムーズになるから

「あの契約書、お客様に送られたんだっけ?」「いつ送ったんだっけ?」。手動での送付では、送付状況の把握が難しく、確認に時間がかかることがあります。自動送付システムは、メール送信の完了を通知したり、SharePointリストのステータスを更新したりすることで、送付状況をリアルタイムで可視化します。これにより、無駄な問い合わせが減り、関係者全員が最新の情報を把握できるようになるでしょう。


構築システムの準備を始めよう

契約書送付の自動化システムを作る前に、いくつか確認し、準備しておくべきことがあります。これらを事前に整理しておくことで、スムーズに自動化を進められます。

契約書の「置き場所」と「送付トリガー」を決めよう

Power Automateが送付対象の契約書を検知するためには、そのファイルがどこに保存され、どのようなイベントをきっかけに送付を開始したいのかを明確にする必要があります。

  • SharePointドキュメントライブラリの活用(推奨):
    • 契約書ファイルを管理するためのSharePoint上の専用ドキュメントライブラリ(例: 契約書送付用顧客契約書など)を作成しましょう。
    • ファイルの格納とステータス管理:
      • このライブラリに、顧客に送付する契約書(PDF形式が一般的)を保存します。
      • ライブラリにカスタム列を追加し、「送付ステータス」(選択肢: 未送付送付待ち送付済エラーなど)と「送付先メールアドレス」(テキスト)、「送付対象顧客名」(テキスト)、「担当営業(ユーザー列)」などの情報を記録できるようにしておきましょう。
    • 送付トリガーの選択:
      • 「ファイルが作成されたとき (プロパティのみ) (SharePoint)」: 特定のフォルダに契約書ファイルがアップロードされたらトリガー。
      • 「項目が変更または作成されたとき (SharePoint)」: ファイルの「送付ステータス」が送付待ちに変更されたらトリガー。これが最も柔軟です。
      • 手動トリガー: 担当者が「このファイルを送付する」ボタンをクリックしたらトリガー(Power Automateアプリから実行)。
  • (補足)既存システムとの連携:
    • CRMや契約管理システムがPower Automateコネクタを提供している場合、そのシステムでの契約書作成完了や承認完了をトリガーにすることも可能です。

 

送付する「メールテンプレート」を準備しよう

お客様へ送付するメールの件名と本文のテンプレートを作成しておきます。パーソナライズされた情報(顧客名、契約書名、担当営業名など)を埋め込めるようにしておきましょう。

  • メールテンプレートの例:
    • 件名: 【〇〇株式会社】契約書送付のご案内(〇〇契約)
    • 本文:
      • 〇〇株式会社 〇〇様
      • 平素より大変お世話になっております。
      • 〇〇契約の契約書を添付いたしましたので、ご確認いただけますと幸いです。
      • ご不明な点がございましたら、担当:〇〇(担当営業名)までお気軽にご連絡ください。
      • 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
      • --
      • 〇〇株式会社

 

送付後の「通知先」を決めよう

契約書がお客様に送付されたことを、どこに、誰に対して通知したいのかを決定します。

  • 担当営業へのTeamsチャット(推奨): 送付完了を迅速に担当者に通知し、顧客へのフォローアップを促します。
  • 営業・法務チームチャネル: 契約書送付の全体状況把握や、情報共有用(例: 営業部_契約進捗法務部_契約管理)。
  • 顧客管理システム(CRM)へのログ記録: 送付日時や担当者をCRMの活動履歴として記録します(高度)。

 

必要な「権限」を確認しよう

Power Automateでフローを作成し、SharePoint/OneDriveのファイルを読み取り、Outlookでメールを送信するためには、フローを実行するアカウントが適切な権限を持っている必要があります。

  • SharePoint/OneDriveへのアクセス権: 契約書ファイルがあるライブラリ/フォルダに対する「読み取り」権限が必要です。
  • Outlookメールボックスへのアクセス権: フローを実行するアカウントがメールを送信するための権限(「送信」権限、共有メールボックスからの送信であれば「送信者として送信」または「代理人として送信」権限)が必要です。

Power Automateで自動化を設定しよう(基本編)

Power Automateを使って契約書送付の自動化フローを作成していきます。SharePointドキュメントライブラリ内の契約書ファイルの「送付ステータス」が送付待ちに変更されたことをトリガーに、そのファイルをOutlookメールで自動送信する基本的なフローから見ていきましょう。

フローを作成する場所を決めよう

Power Automateのウェブサイトにアクセスし、左側のメニューから「作成」を選択します。今回は、特定のイベント(SharePointアイテムのプロパティ変更)が発生したときに自動的に実行されるフローなので、「自動化したクラウド フロー」を選択します。

トリガーを設定しよう

フローのトリガーとは、「いつ」このフローを実行するかを決定するものです。ここでは、SharePointドキュメントライブラリ内の契約書ファイルの「送付ステータス」が送付待ちに変更されたときにフローを実行したいので、トリガーには「項目が変更または作成されたとき (SharePoint)」を選択します。


作成例1:SharePointの契約書ファイルのステータスが「送付待ち」になったら自動送信

このフローは、SharePointドキュメントライブラリ内の契約書ファイルの「送付ステータス」が「送付待ち」に変更されたことを検知し、そのファイルを指定のメールアドレスへOutlookで送信します。

  1. Power Automateにサインインします。お使いのMicrosoft 365アカウントでPower Automateのウェブサイト(https://make.powerautomate.com/)にアクセスし、サインインします。
  2. 「作成」から「自動化したクラウド フロー」を選択します。左側のナビゲーションペインにある「作成」をクリックし、表示されるオプションの中から「自動化したクラウド フロー」を選択します。
  3. フロー名を指定し、トリガーを選択します。フロー名には「契約書_自動送付フロー」など、分かりやすい名前を付けます。「フローのトリガーを選択してください」の検索ボックスに「SharePoint」と入力し、「項目が変更または作成されたとき (SharePoint)」を選択して「作成」をクリックします。
  4. トリガーの詳細を設定します。
    • サイトのアドレス: 契約書ファイルが保存されているSharePointサイトのURLを選択します。
    • リスト名: 契約書ファイルが保存されているドキュメントライブラリを選択します(例: 顧客契約書)。
  5. 新しいステップを追加し、ステータスの変更を検知する条件分岐を設定します。
    • 条件」アクションを追加します。
    • 左側の値: 動的なコンテンツのリストから「送付ステータス 値」(トリガーからの出力、新しい値)を選択します。
    • 演算子:次の値と等しい」を選択します。
    • 右側の値:送付待ち」と入力します。
    • 補足: これにより、ファイルの「送付ステータス」が「送付待ち」になった場合のみ「はい」のパスに進みます。
  6. 「はい」のパス(送付待ちの場合)に、ファイルの内容を取得するアクションを追加します。
    • ファイルのコンテンツを取得する (SharePoint)」アクションを追加します。
    • サイトのアドレス: トリガーで指定したSharePointサイトと同じものを選択します。
    • ファイル識別子: 動的なコンテンツのリストから「識別子」(トリガーからの出力)を選択します。
  7. 新しいステップを追加し、Outlookからメールを送信するアクションを追加します。
    • + アクションの追加」をクリックし、検索ボックスに「Outlook」と入力し、「メールを送信する (V2) (Office 365 Outlook)」を選択します。
    • 宛先: @{triggerOutputs()?['body/送付先メールアドレス']} (SharePointリストの「送付先メールアドレス」列から取得)
    • 件名: 【〇〇株式会社】契約書送付のご案内(@{triggerOutputs()?['body/Title']})
      • 補足: TitleはSharePointリストのファイル名です。
    • 本文 (HTML形式可):

      HTML

      <p>@{triggerOutputs()?['body/送付対象顧客名']}様</p>
      <p>平素より大変お世話になっております。</p>
      <p>@{triggerOutputs()?['body/Title']}契約の契約書を添付いたしましたので、ご確認いただけますと幸いです。</p>
      <p>ご不明な点がございましたら、担当:@{triggerOutputs()?['body/担当営業']?['DisplayName']}までお気軽にご連絡ください。</p>
      <p>今後ともどうぞよろしくお願いいたします。</p>
      <p>--<br>〇〇株式会社 営業部</p>
      
    • 添付ファイル (添付ファイルの添付部分をクリックして設定):
      • 添付ファイル名: @{triggerOutputs()?['body/{FilenameWithExtension}']} (契約書ファイルの元の名前)
      • 添付ファイルコンテンツ: 「ファイルのコンテンツを取得する」アクションのファイルのコンテンツを選択します。
  8. 新しいステップを追加し、SharePointリストの「送付ステータス」を更新します。メール送信成功後、ステータスを更新します。
    • 項目を更新します (SharePoint)」アクションを追加します。
    • サイトのアドレス: トリガーで指定したSharePointサイトと同じものを選択します。
    • リスト名: 顧客契約書(または設定したライブラリ名)
    • ID: トリガーのIDを選択します。
    • 送付ステータス:送付済」を選択します。
  9. 新しいステップを追加し、Teamsに担当営業へ通知します。「+ アクションの追加」をクリックし、検索ボックスに「Teams」と入力し、「チャットまたはチャネルにメッセージを投稿する (Teams)」を選択します。
    • 投稿者:Flow bot」を選択します。
    • 投稿先:チャット」を選択します。
    • 受信者: @{triggerOutputs()?['body/担当営業']?['Email']} (SharePointリストの「担当営業」列から取得)
    • メッセージ:
      @{triggerOutputs()?['body/担当営業']?['DisplayName']}様
      
      【✅契約書送付完了のお知らせ】
      
      以下の契約書がお客様へ自動送付されました。
      
      契約書名: @{triggerOutputs()?['body/Title']}
      送付先: @{triggerOutputs()?['body/送付対象顧客名']}様 (@{triggerOutputs()?['body/送付先メールアドレス']})
      送付日時: @{formatDateTime(utcNow(), 'yyyy/MM/dd HH:mm')}
      
      お客様へのフォローアップをお願いいたします。
      
    • 重要度:標準」を選択します。
  10. フローを保存してテストします。画面右上の「保存」をクリックします。保存後、「テスト」をクリックし、「手動」を選択して「テスト」をクリックします。SharePointドキュメントライブラリにテスト用の契約書ファイル(PDFなど)をアップロードし、そのファイルのカスタム列「送付先メールアドレス」に自身のメールアドレス、「送付ステータス」を「送付待ち」に設定します。

    Power Automateのフロー実行履歴を確認し、Outlookからメールが届き、Teamsに通知が届いていることを確認します。


アクションを設定しましょう

トリガーが発動したら、次に「何を」するのかを設定します。これがアクションです。

  • SharePointアクション:
    • 項目が変更または作成されたとき」: 契約書ファイルの「送付ステータス」が変更されたことを検知するトリガー。
    • ファイルのコンテンツを取得する」: 送付する契約書ファイルの内容(バイナリデータ)を取得します。
    • 項目を更新します」: 送付完了後に、ファイルの「送付ステータス」を更新します。
  • Outlookアクション:
    • メールを送信する (V2)」: 指定した宛先に、添付ファイル付きのメールを送信します。
  • Teamsアクション:
    • チャットまたはチャネルにメッセージを投稿する」: 契約書送付完了通知を担当営業や関連部門へ送信します。
  • 制御アクション:
    • 条件」: 送付ステータスが「送付待ち」であるか、エラーが発生したかなどを判断します。

 

通知メッセージのカスタマイズをしましょう

メールの件名や本文、Teams通知の内容は、動的なコンテンツを利用して、契約書名、送付先顧客名、担当者名、送付日時、契約書ファイルへのリンクなどを自動的に埋め込むことができます。

  • 契約書名: Title (SharePointリストアイテムのタイトル、ファイル名に相当)
  • 送付先メールアドレス: 送付先メールアドレス
  • 送付対象顧客名: 送付対象顧客名
  • 担当営業: 担当営業/DisplayName
  • ファイル名: {FilenameWithExtension} (SharePointの動的なコンテンツ)
  • ファイルコンテンツ: 「ファイルのコンテンツを取得する」アクションのファイルのコンテンツ
  • SharePointアイテムへのリンク: WebUrl (SharePointリストアイテムへの直接リンク)

これらの情報を適切に配置することで、パーソナルで正確な契約書送付メールを自動で送信し、Teams通知も分かりやすくできます。


Power Automateで自動化を設定しましょう(応用編)

基本編で作成したフローをさらに便利にするための応用テクニックを見ていきましょう。

 

送付エラーを検知し、担当者に通知する

メールの送信が何らかの理由で失敗した場合(例: 宛先メールアドレスが無効)、そのエラーを検知し、担当営業やシステム管理者へTeamsで通知することで、迅速なリカバリーを促します。


作成例2:送付エラーを検知し、担当者に通知するPower Automateフロー

基本編のフローに「スコープ」と「構成の実行後」設定を追加します。

  1. 基本編のフロー(契約書_自動送付フロー)を開きます。
  2. ステップ7の「メールを送信する (V2)」アクションを「スコープ」コントロールで囲みます。
    • 「メールを送信する」アクションを選択し、「…」→「マイアクションを次の場所に移動」→「スコープ」を選択します。
    • スコープの名前を「メール送信処理」などとします。
  3. 「メール送信処理」スコープの後に新しいステップを追加します。
    • チャットまたはチャネルにメッセージを投稿する (Teams)」アクションを追加します。
    • このアクションの「構成の実行後」設定を変更します。
      • 「前のアクションが失敗した場合」にチェックを入れます。他のチェックは外します。
    • 投稿先: チャット
    • 受信者: @{triggerOutputs()?['body/担当営業']?['Email']} (担当営業) またはシステム管理者のメールアドレス。
    • メッセージ:
      【🚨契約書送付エラー発生】
      
      契約書「@{triggerOutputs()?['body/Title']}」の送付中にエラーが発生しました。
      原因を調査し、手動での再送付をお願いいたします。
      
      エラー内容: @{result('メール送信処理')[0]?['error']?['message']} (エラーメッセージ)
      詳細: @{triggerOutputs()?['body/WebUrl']}
      
    • 重要度:重要」または「緊急」を選択します。
  4. 新しいステップを追加し、SharePointリストの「送付ステータス」を「エラー」に更新します。
    • 項目を更新します (SharePoint)」アクションを追加します。
    • このアクションの「構成の実行後」設定も変更します。
      • 「前のアクションが失敗した場合」にチェックを入れます。
    • 送付ステータス:エラー」を選択します。
  5. フローを保存してテストします。
    • テスト用の契約書をアップロードし、「送付先メールアドレス」に存在しない、または無効なメールアドレス(例: invalid@example.com)を設定し、「送付ステータス」を「送付待ち」にします。
    • フローがエラーとなり、Teamsにエラー通知が届き、SharePointのステータスが「エラー」になることを確認します。

 

送付前に承認フローを組み込む

契約書をお客様へ送付する前に、法務部門や営業部長の最終承認が必要な場合に、Teams上で承認プロセスを組み込むことができます。


作成例3:送付前に承認フローを組み込むPower Automateフロー

基本編のフローに「承認」アクションを追加します。

  1. 基本編のフロー(契約書_自動送付フロー)を開きます。
  2. ステップ5の条件「送付ステータスが『送付待ち』の場合」の「はい」のパス内に、新しいステップを追加します。
    • アクションを開始して承認を待機します (承認)」アクションを追加します。
      • 承認の種類:最初の応答」または「全員が承認
      • タイトル: 契約書送付承認依頼: @{triggerOutputs()?['body/Title']}
      • 割り当て先: 承認者のメールアドレス(例: 法務部長、営業部長のメールアドレス)。
      • 詳細:
        以下の契約書をお客様へ送付する承認をお願いいたします。
        
        契約書名: @{triggerOutputs()?['body/Title']}
        送付先: @{triggerOutputs()?['body/送付対象顧客名']}様
        担当営業: @{triggerOutputs()?['body/担当営業']?['DisplayName']}
        
        ▼ファイルを確認
        [契約書を開く]@{triggerOutputs()?['body/{Link}']}
        
      • 項目へのリンク: @{triggerOutputs()?['body/{Link}']}
  3. 新しいステップを追加し、承認結果によって処理を分岐します。
    • 条件」アクションを追加します。
    • 左側の値: 「アクションを開始して承認を待機します」アクションのOutcomeを選択します。
    • 演算子:次の値と等しい
    • 右側の値:Approve」と入力します。
  4. 「はい」のパス(承認された場合)に、既存の「ファイルのコンテンツを取得する」から「メールを送信する」、そして「送付ステータスを『送付済』に更新する」全てのアクションを移動します。
  5. 「いいえ」のパス(却下された場合)に、Teams通知アクションを追加します。
    • 「チャットまたはチャネルにメッセージを投稿する (Teams)」アクション:
      • 投稿先: チャット
      • 受信者: @{triggerOutputs()?['body/担当営業']?['Email']} (担当営業)
      • メッセージ:
        【❌契約書送付却下】
        
        契約書「@{triggerOutputs()?['body/Title']}」の送付が却下されました。
        却下理由: @{outputs('アクションを開始して承認を待機します')?['body/responses'][0]?['comments']}
        
        詳細: @{triggerOutputs()?['body/WebUrl']}
        
    • 「項目を更新します (SharePoint)」アクション: 「送付ステータス」を「却下」に更新します。
  6. フローを保存してテストします。契約書をアップロードし、ステータスを「送付待ち」にした後、Teamsに承認依頼が届き、承認/却下によってメール送信が行われるか、または却下通知が届くかを確認します。

 

送付後の顧客の行動(メール開封・リンククリック)をトラッキングする(高度)

送付した契約書メールが開封されたか、メール内のリンクがクリックされたかをトラッキングし、その情報をTeamsに通知したり、CRMに記録したりする仕組みです。


作成例4:送付後の顧客の行動をトラッキングするPower Automateフロー(高度)

この機能は、Outlookのトラッキング機能や、Webサイト側の分析ツールとの連携、またはメールの本文にトラッキングピクセルやリダイレクトリンクを埋め込むなどの高度な技術を要します。

  1. 「メールを送信する (V2)」アクションの後に新しいステップを追加します。
    • Outlookの「メッセージのプロパティを取得する (V3)」アクション: 送信したメールのIDを使って詳細なプロパティ(開封状態など)を取得できる可能性がありますが、これは送信者自身のメールボックスのビューに依存し、相手の行動を直接トラッキングするものではありません。
  2. (代替案:Webサイトのトラッキングツールと連携)
    • メール本文内の契約書へのリンクを、Google AnalyticsやCRMのトラトラッキング機能付きURLに置き換えます。
    • 顧客がリンクをクリックすると、そのWebサイト側でトラッキングデータが生成され、そのデータ(例: Webhook)をPower Automateのトリガーとして受け取り、Teamsに通知します。
    • 「HTTP 要求の受信時」トリガーでWebサイトからのWebhookを受け取り、その中の顧客情報やクリック情報を解析し、Teamsに通知します。
      • メッセージ例: 「【顧客行動検知】@{顧客名}様が契約書@{契約書名}のリンクをクリックしました!」

メリット: 顧客が契約書にアクセスしたことをリアルタイムで把握できるため、担当者は適切なタイミングで顧客にフォローアップできます。


エラー対策とトラブルシューティングを確認しよう

Power Automateフローは、確実に動作することが求められます。特に契約書送付は、法務や営業の重要なプロセスであるため、その信頼性が非常に重要です。よくあるエラーとその対策、そしてトラブルシューティングのポイントをご紹介します。

権限不足のエラーが出た場合

「アクセスが拒否されました」といったエラーメッセージが表示される場合、Power AutomateがSharePoint/Outlookを操作したり、Teamsにメッセージを送信したりするための権限が不足している可能性があります。

対策: フローを実行するアカウントが、対象のSharePoint/Outlook/Teamsに対して適切な権限を持っていることを確認してください。

メール送信エラーが出た場合

Outlookでメール送信アクションが失敗することがあります。特に、宛先メールアドレスが無効な場合や、API制限に引っかかる場合です。

  • 対策:
    • 宛先メールアドレスの確認: SharePointリストの「送付先メールアドレス」が有効なメールアドレス形式であるか確認しましょう。
    • 「スコープ」と「構成の実行後」: 作成例2のように、「メール送信処理」をスコープで囲み、そのスコープが失敗した場合にエラー通知を送るロジックを必ず組み込みましょう。これにより、自動送付が失敗しても担当者が迅速に気づけます。
    • Outlookの送信制限: 短時間に大量のメールを送信しようとすると、Outlookの送信制限に引っかかる場合があります。この場合、フローの実行頻度を調整したり、一度に処理する件数を制限したり、バッチ処理を検討する必要があります。

 

トリガーが動作しない場合

フローが全く実行されない場合、設定したトリガーの条件が満たされていない可能性があります。

  • SharePointサイト/ライブラリの正確性: トリガーで選択したSharePointサイトとドキュメントライブラリが、契約書が保存されている場所と一致しているか確認しましょう。
  • 列名の確認: 「送付ステータス」など、SharePointの列名がフローの条件で正確に指定されているか確認します。
  • テスト更新: フローを保存後、対象の契約書ファイルの「送付ステータス」列を「送付待ち」に手動で変更し、Power Automateの「実行履歴」でフローが起動したかを確認しましょう。

 

フローの履歴を確認しましょう

エラーが発生した場合や、フローが意図通りに動作しない場合は、Power Automateのフロー実行履歴を確認することが最も重要です。

  1. Power Automateの「マイ フロー」から、該当のフローを選択します。
  2. 実行履歴」タブをクリックします。
  3. 失敗した実行、または成功したものの動作が怪しい実行を選択すると、フローの各ステップがどのように実行されたか、どこでエラーが発生したか、そして入力/出力データやエラーメッセージの詳細を確認できます。

ポイント: 各アクションの「入力」と「出力」を確認することで、どのデータがどのように処理され、どこで問題が発生したのかを詳細に把握できます。特に「ファイルのコンテンツを取得する」アクションでファイルが正しく取得されているか、Outlookのメール送信アクションの入力が正しいかを確認しましょう。


セキュリティとアクセス管理を確認しましょう

契約書は企業の機密情報や顧客の個人情報を含むため、自動送付システムを構築する際は、セキュリティとアクセス管理に細心の注意が必要です。

SharePointドキュメントライブラリの権限設定を適切にしましょう

契約書ファイルが保存されるSharePointドキュメントライブラリの権限は厳密に管理する必要があります。

  • 編集権限: 契約書をアップロードしたり、ステータスを更新したりする担当者(営業、法務)にのみ「編集」権限を付与しましょう。
  • 閲覧権限: 契約書の送付状況を把握する必要がある部署には「読み取り」権限を付与しましょう。
  • 最小限の原則: 必要な人にのみ最小限の権限を与えましょう。

 

Outlookメールボックスの権限設定を適切にしましょう

フローがメールを送信するOutlookメールボックス(個人メールボックスまたは共有メールボックス)のアクセス権限を適切に管理しましょう。

共有メールボックスの利用: 契約書送付専用の共有メールボックスを作成し、そのメールボックスに対して「送信者として送信」または「代理人として送信」権限をフローを実行するアカウントに付与することを推奨します。これにより、個人のメールボックスに依存せず、送信元を統一できます。

フローの作成と実行権限を管理しましょう

この自動化フローは、会社の重要な機密情報を扱うため、不用意に作成・変更・実行できないように、適切な権限管理が必要です。

  • フロー作成者の制限: 重要なフローの作成権限は、法務部門、営業部門の責任者、または特定のシステム管理者にのみ付与することを検討しましょう。
  • 共有の最小化: フローを他のユーザーと共有する際は、実行のみの権限に限定し、共同所有者としての共有は慎重に検討しましょう。共同所有者はフローを編集できるため、意図しない変更のリスクがあります。
  • サービスアカウントの利用: フローの実行アカウントが個人アカウントではなく、専用のサービスアカウントであれば、個人の人事異動や退職の影響を受けにくく、権限管理も一元化しやすいでしょう。

 

個人情報保護への配慮を忘れずに

契約書には、顧客の氏名、連絡先、企業名といった個人情報が含まれる可能性があります。これらの情報の取り扱いには、個人情報保護法などの関連法令や社内規定を遵守するよう細心の注意を払いましょう。

  • 利用目的の明確化: 顧客情報の利用目的を明確にし、契約書送付の目的を顧客に適切に伝えましょう。
  • 安全な保管: 不必要なアクセスを制限し、データの安全な保管に努めましょう。
  • 保持期間の検討: 送付履歴や関連ファイルの保持期間を定め、期間経過後は適切に廃棄する運用を検討しましょう。

まとめ

Power AutomateとTeams、SharePoint、Outlookを組み合わせることで、契約書送付を自動化する方法について、基本的な設定から応用、エラー対策、そしてセキュリティとアクセス管理まで、詳細に解説してきました。

この自動送付システムは、契約送付プロセスを迅速化し、送付漏れや誤送信のリスクを低減し、担当者の負担を軽減するための強力なツールとなるでしょう。結果として、契約締結までのリードタイム短縮と、顧客満足度向上に大きく貢献できます。