Teams|ファイルのバージョン管理が複雑・会社としてできる改善方法を分かりやすく説明

Teamsのファイル「バージョン管理」が複雑?会社としてできる改善方法を徹底解説!

Microsoft Teamsでチームの共有ファイルを使っていると、「どのファイルが最新版なの?」「前のバージョンに戻したいけど、どこを見ればいいの?」「メンバーによって管理方法がバラバラで、結局どれが正しいのか分からない…」といった、バージョン管理の複雑さに悩まされたことはありませんか? 大切な資料のバージョンが混同されたり、誤って上書きされたりすると、情報が失われたり、無駄な再作業が発生したりと、業務に大きな支障が出てしまいますよね。まるで、重要な設計図の改訂版がいくつもあって、どれが最新で、どこに変更点があるのか、誰も正確に把握できていないような状態です。

確かに、Teamsのファイルのバージョン管理は、その裏側で連携しているSharePoint Onlineの機能に依存しており、使いこなすのが難しいと感じるかもしれません。しかし、ご安心ください!Teams(SharePoint Online)には、強力なバージョン管理機能が標準で備わっており、会社として適切なルールや運用方法を定めることで、この複雑さを解消し、ファイルの管理を劇的にシンプルに、そして安全にすることができます。

ファイルのバージョン管理が複雑だと感じるのはなぜ?その「原因」

Teamsでのファイルのバージョン管理が複雑だと感じるのには、いくつかの明確な理由があります。それを理解することが、効果的な改善策を見つける第一歩です。

Teamsの裏側で「SharePoint Online」が動いているため

Teamsのチームで共有されるファイルは、すべてそのチームに紐付けられたSharePoint Onlineサイトのドキュメントライブラリに保存されています。Teamsは、そのSharePointのファイルをTeamsアプリ内に「表示」しているに過ぎません。そのため、Teamsのファイル管理は、SharePointのバージョン管理機能に依存します。SharePointのバージョン管理は非常に強力ですが、その分、設定項目が多く、Teamsから直接すべてを制御できるわけではないため、複雑に感じられることがあります。

「自動保存」と「バージョン履歴」の違いが分かりにくい

Microsoft 365のOfficeアプリ(Word, Excel, PowerPoint)では「自動保存」機能があり、リアルタイムで変更が保存されていきます。これにより、頻繁にファイルが保存され、そのたびに「バージョン」が自動的に作成されていきます。しかし、この「バージョン」が具体的に何を指し、どのように管理されているのかがユーザーにとって分かりにくいことがあります。

「命名規則」や「保存場所のルール」がないため

チーム内でファイル名の命名規則や、ファイルの保存場所(フォルダ構造)に関するルールが明確に決まっていないと、メンバーがそれぞれ自分の判断でファイルを保存するため、似たようなファイルが複数存在したり、古いファイルが最新版のように見えたりして、どれが正しいバージョンか分からなくなります。

「共同編集」の際に混乱が生じるため

Teamsの大きなメリットである共同編集は非常に便利ですが、複数のメンバーが同時に編集していると、誰が、いつ、何を、どのように変更したのか、履歴を追うのが難しくなり、バージョン管理の複雑さが増すことがあります。

「ユーザーの認識」が統一されていないため

バージョン管理の重要性や、具体的な機能の使い方(履歴の確認方法、復元方法など)がチームメンバー間で十分に共有・理解されていないと、それぞれのメンバーが自己流で管理してしまい、混乱が生じます。

「同期機能」が混乱を招く場合があるため

OneDrive同期クライアントを使ってTeamsのファイルをPCに同期している場合、ローカルのファイルとクラウド上のファイルの同期状態が正しくないと、バージョンの混同や競合が発生することがあります。


 

バージョン管理をシンプルに!今日からできる「個人向け」工夫

まずは、あなた自身がTeamsのファイルのバージョン管理をより分かりやすくするための、個人的な工夫から始めましょう。

「ファイル名」に工夫を凝らそう!

ファイルの内容を推測しやすく、バージョンが明確になるような命名規則を自分なりに適用しましょう。

日付やバージョン番号を入れる:

例: 20240726_議事録_定例会議_Ver1.0.docx

例: 企画書_最終版_山田修正_20240726.pptx

内容を具体的に: 「資料」ではなく「2024年Q3営業戦略資料」のように具体的にしましょう。

注意点

SharePointのバージョン履歴機能を使う場合は、ファイル名にバージョン番号を入れると、かえって混乱することがあります。チーム全体のルールとしてどちらを優先するか決めましょう。

「コメント」や「変更履歴」を活用しよう!

Officeファイル(Word, Excel, PowerPoint)を共同編集する際は、コメント機能や変更履歴の記録機能を積極的に活用しましょう。

  • コメント機能: 変更点や質問箇所にコメントを残すことで、どの部分が、なぜ、どのように変更されたのかが明確になります。
  • 変更履歴の記録(Word): Wordの「校閲」タブにある「変更履歴の記録」機能をオンにすると、変更箇所が色付きで表示され、誰が何を変更したか一目で分かります。
  • 保存時のメッセージ: ファイルを閉じる際に保存メッセージを求められることがあれば、具体的な変更内容を記述しましょう。

定期的に「クリーンアップ」を心がけよう!

不要なファイルや、一時的な作業ファイルがチームのファイルタブに散乱しないように、定期的に整理しましょう。

  • 完了したプロジェクトのフォルダをアーカイブ: プロジェクトが完了したら、その関連フォルダを別の「アーカイブ」フォルダに移動するか、チャネル自体をアーカイブすることを検討しましょう。
  • 一時ファイルは削除: 会議の議事メモなど、一時的に作成したファイルで、永続的に保存する必要がないものは、確認後削除しましょう。

迷ったら「IT管理者」や「チームの所有者」に相談しよう!

ファイルのバージョン管理や、アクセス権限について不明な点があれば、勝手に判断せずに、社内のIT管理者やチームの所有者に相談しましょう。彼らが正しい情報や組織のルールを教えてくれます。


 

会社として(IT管理者/チームオーナーが)取り組むべき「改善方法」

ファイルのバージョン管理を根本的に改善し、チーム全体の混乱をなくすためには、会社として、あるいはIT管理者やチームの所有者が、計画的にルールを定め、運用をサポートすることが不可欠です。

SharePoint Onlineの「バージョン管理設定」を最適化しよう(最重要!)

Teamsのファイルタブの裏側で動いているSharePoint Onlineには、強力なバージョン管理機能が備わっています。これを適切に設定することで、ファイルの履歴管理を自動化できます。

 

SharePointのバージョン管理設定最適化手順(IT管理者/SharePoint管理者向け)

  1. Teamsチームに紐付けられたSharePointサイトを開きます。(Teamsのチーム名をクリックし、右上の「…(その他のオプション)」から「SharePointで開く」を選択すると簡単です。)
  2. 左側のメニューで「ドキュメント」をクリックし、[ファイル]タブのコンテンツが表示されているドキュメントライブラリに移動します。(通常は「共有ドキュメント」)
  3. ドキュメントライブラリの右上にある「歯車アイコン(設定)」をクリックし、「ライブラリの設定」を選択します。
  4. 「設定」ページで「バージョン設定」をクリックします。
  5. ここで、以下の設定を最適化します。
    • コンテンツの承認: 「はい」に設定すると、新しいバージョンを公開する際に承認プロセスが必要になります。(厳格な管理が必要な場合に検討)
    • ドキュメントのバージョン履歴:
      • 「メジャーバージョンとマイナーバージョンを作成する (ドラフト) 」:推奨! これを有効にすると、1.0, 1.1, 1.2, 2.0 のように、メジャーバージョン(大きな変更)とマイナーバージョン(小さな変更、ドラフト)を自動で作成・区別できます。これにより、最新の「公開済み」バージョンと、編集中やレビュー中の「ドラフト」バージョンを明確に区別できます。
      • メジャーバージョンを作成する」:1, 2, 3 のようにメジャーバージョンのみを作成します。シンプルですが、ドラフト管理はできません。
    • 保持するメジャーバージョンの数: 自動で保存するバージョンの上限を設定します。(例: 「100」や「500」など、組織の要件に合わせて設定)無制限にするとストレージを圧迫する可能性があるので、上限を設定することを推奨します。
    • 下書き項目のセキュリティ: ドラフトバージョンを誰が閲覧できるかを設定します。(例: 「アイテムを編集できるユーザー」または「アイテムを承認できるユーザー」)
  6. 設定変更後、「OK」をクリックして保存します。

ポイント:

  • メジャーバージョンとマイナーバージョンの活用: これを有効にすると、ユーザーはファイルを保存する際に「メジャーバージョンとして発行」(例: 1.0, 2.0)するか、「マイナーバージョンとして保存」(例: 1.1, 1.2)するかを選択できるようになります。これにより、正式公開前のドラフト作業が履歴に残るようになります。
  • 履歴の確認と復元: ファイルを右クリックし、「バージョン履歴」を選択すると、過去のすべてのバージョンを確認でき、いつでも任意のバージョンに復元したり、比較したりできます。

「ファイル名の命名規則」を組織で統一しよう!

チームや部署全体で、一貫性のあるファイル名の命名規則を定め、それを義務付けましょう。これにより、誰が見てもそのファイルが「何の」「いつの」「どのバージョン」のファイルか一目で分かるようになります。

ルール化のポイント

  • 日付: YYYYMMDD 形式で必ず含める。
  • プロジェクト名/内容: 具体的かつ簡潔に。
  • バージョン: vX.X のように付けるか、SharePointのバージョン管理に任せるか明確にする。
  • 担当者/作成者: 必要であれば含める。
  • NGワードの指定: 「最終」「最新」といった曖昧な言葉を使わないように指導する。

ガイドラインの作成: 命名規則をまとめた簡単なガイドラインを作成し、TeamsのWikiやSharePointサイトで共有しましょう。

「フォルダ構造」をシンプルかつ論理的に設計しよう!

チームの[ファイル]タブ内のフォルダ構造は、情報の見つけやすさに直結します。シンプルで論理的な構造を設計し、それをメンバーに周知しましょう。

設計のポイント

  • 階層は深くしすぎない: 3~4階層程度に留める。
  • 目的別に分類: プロジェクト別、フェーズ別、情報種類別(議事録、報告書、資料など)で分類する。
  • ルール化: 「ここにしか保存しない」というルールを徹底する。

定期的な棚卸し: 定期的にフォルダ構造を見直し、不要なフォルダを削除したり、アーカイブしたりしましょう。

「情報の置き場所」に関するルールを明確に周知しよう!

Teamsで共有される様々な情報の「最終的な置き場所」を明確にし、メンバーに周知しましょう。

  • リアルタイムの会話: Teamsのチャット/チャネル(一時的)
  • 最終版の資料/手順書/規程: チームの[ファイル]タブ(SharePoint)
  • 議事録: チームの[ファイル]タブ内の専用フォルダ、またはTeamsのWiki
  • タスク管理: Plannerタブ
  • 共有メモ: OneNoteタブ

ポイント

「この情報はどこに保存するべきか?」という判断基準を明確にすることで、情報が散らばるのを防ぎます。

「共同編集のルール」を確立しよう!

Teamsの共同編集は便利ですが、無秩序に行われると混乱を招きます。

  • 同時編集の推奨: 基本的にTeams内のOfficeアプリで同時編集を推奨し、リアルタイムで変更を共有する。
  • 編集前後のコミュニケーション: 「今から〇〇を編集します」「編集終わりました」など、簡易的な声かけを行う習慣をつける。
  • コメントと変更履歴の活用を義務付け: 変更内容を明確にするため、コメント機能やWordの変更履歴機能を必ず利用するよう指導する。

ユーザーへの「トレーニング」と「オンボーディング」を強化しよう!

どんなに良い仕組みを作っても、ユーザーがその使い方や重要性を理解していなければ意味がありません。

  • 初期トレーニング: 新しいメンバーがTeamsに参加した際に、チャネル構成、ファイル管理ルール、バージョン管理の概念、検索機能の使い方などを説明するトレーニングを実施しましょう。
  • ガイドラインの作成: 上記のルールや使い方をまとめた簡単なガイドラインを作成し、TeamsのWikiやSharePointサイトで共有し、いつでも参照できるようにしましょう。
  • 定期的なリマインダー: 月に一度など、定期的にチャネルに情報整理の重要性やルールのリマインダーを投稿し、意識付けを行いましょう。
  • ロールモデル(模範者)の育成: チームの所有者やリーダーが率先してルールに従い、模範を示すことで、他のメンバーも自然とルールを守るようになります。

バージョン管理の複雑さを解消し、ファイル管理の達人に!

Teamsでのファイルのバージョン管理が複雑に感じる問題は、その裏側で連携しているSharePoint Onlineの特性と、チーム内でのルール不足に起因することが多いです。しかし、今回解説した「SharePointのバージョン管理設定の最適化」「ファイル名の命名規則の統一」「フォルダ構造のシンプル化」「情報の置き場所の明確化」「共同編集ルールの確立」「ユーザーへのトレーニング強化」といった会社として取り組むべき具体的な改善方法を実践することで、この複雑さを解消し、ファイルの管理を劇的にシンプルに、そして安全にすることができます。