「おはす」とは?意味は?使い方は?大河ドラマや古語・古典を詳しく現代風に解説

「おはす」とは?意味は?使い方は?大河ドラマや古語・古典を詳しく現代風に解説

「おはす」は古典では敬意を込めた動詞であり、上位の人物の存在や動作に対して用いられました。主に「いらっしゃる」「おいでになる」の尊敬語として使われ、「あり」「をり」「行く」「来」の尊敬語にもなります。一方で、江戸時代以降は時代劇や芝居の中で「おはす=いる・ある」の意味が定着し、現代人には古風な言い回しとして聞かれることが多くなりました。語源は「はす(端す)」で、古くは「そこにいらっしゃる」という空間認識と敬意が結びついて成立しました。成立時期は平安初期まで遡り、宮廷文学などで広く用いられました。現代では「おはす」を「います」と混同する例も多く、正しい使い方が知られにくくなっています。時代劇では「殿はまだおはすか」などの用法があり、これは「殿はまだおいでになるか」といった意味合いで使われています。古典においては三人称の尊敬語として多く見られ、話し手が直接相手に言うというよりも、第三者の行動を高めて述べる時に用います。このように、古典と近世以降では使い方と理解の前提が大きく異なります。似た語として「います」や「ござる」などがありますが、それぞれの時代的背景と敬意の深さが違うため混同は注意が必要です。

「おはす」の一般的な使い方と英語で言うと

  • 本日は部長も会場におはすとのことで、準備に万全を期して対応いたしました。
    (I was informed that the department head would be present today, so we prepared everything thoroughly.)
  • 取引先の社長がすでにおはすと伺いましたので、急ぎご挨拶に参ります。
    (I heard the president of the client company is already there, so I will hurry to greet him.)
  • 会議室におはす皆様に失礼がないよう、資料の整理を徹底いたしました。
    (We carefully arranged the materials so as not to be disrespectful to everyone present in the meeting room.)
  • お客様がおはすうちに、再度のご説明をさせていただければと存じます。
    (While the customer is still here, I would like to provide an additional explanation.)
  • おはす時間帯に合わせてお手配いただき、まことにありがとうございました。
    (Thank you very much for arranging things according to the time of their presence.)

似ている表現と失礼がない言い回し

  • いらっしゃる
  • おいでになる
  • ご臨席される
  • ご来訪される
  • ご同席である

人格や性格として言われた場合は?

「おはす」は元来、動作や存在に対する尊敬表現であり、性格や人格を直接的に表すものではありません。しかし、敬意をもって第三者の行動を述べる姿勢が重んじられる場では、話し手自身の礼儀正しさや配慮が評価されることがあります。つまり、「おはす」という語を用いて相手を高める話し方をしている人は、丁寧で礼を尽くす性格だと見なされることがあるという意味です。実際には語義上、性格形容には該当しないため、比喩的・感覚的な印象の範囲にとどまります。

「おはす」をビジネスで使用する場面の例文と英語

  • 本日は御社の役員の皆様がおはすということで、弊社一同心よりお迎えの準備を整えました。
    (We prepared wholeheartedly for the visit of your executives today.)
  • 現地にはすでに関係者の皆様がおはすとのこと、どうかよろしくお取り計らいくださいませ。
    (I understand your associates are already on site; thank you for your kind arrangements.)
  • 講演会におはすお客様の前で、不備のない進行が求められております。
    (It is necessary to conduct the session flawlessly in front of the attendees.)
  • 当日の午前におはすとのご連絡を頂戴いたしましたので、当方でも対応を急ぎました。
    (We rushed our preparations upon receiving your notice that you would be present in the morning.)
  • ご担当者様がおはすうちに、必要書類をすべてお持ちいたします。
    (I will bring all the necessary documents while the person in charge is still present.)

「おはす」は目上の方にそのまま使ってよい?

「おはす」は古典的な敬語表現であるため、現代の日常ビジネスではあまり用いられません。目上の方や取引先に対して直接的に使うと、意味が通じないか、あるいは不自然・芝居がかった印象を与えてしまう可能性があります。そのため、古語としての「おはす」を使用する場面は限られており、現代的で明確な敬語に置き換えるのが適切です。とくに実務の場面では、正確な意味伝達と敬意の両立が求められるため、わかりやすく丁寧な言い換えを行うことが重要です。意図的に古風な表現を用いる特別な演出でなければ、避けるべきです。

  • 時代劇的な印象を与えてしまう
  • 意味が伝わらず混乱の原因となる
  • 過度に格式張って見える
  • 現代の敬語体系に沿わない
  • 場違いな印象を与える可能性がある

「おはす」の失礼がない言い換え

  • 本日は御社の部長様がいらっしゃるとのこと、心よりお迎え申し上げます。
  • 先ほど社長様がおいでになりましたので、応接室にご案内申し上げました。
  • ただいま会場にご来訪中のお客様への対応を、私どもで担当いたしております。
  • 関係者の皆様がご同席される中、円滑な進行に最大限努めております。
  • お客様がご臨席の間に、必要な書類一式をお届け申し上げます。

注意する状況・場面は?

「おはす」は古典的な表現であり、現代のビジネスや日常会話において直接使用すると、相手にわかりにくさや違和感を与える可能性があります。特に若年層や現代の商談場面では通じない場合が多く、間違った敬語として誤解されることもあります。また、過度に格式ばった印象を与えるため、親しみや柔らかさが求められるやり取りには不適切です。時代劇や古典的文脈を意識的に用いる場でなければ、現代的な敬語に置き換えることが必要です。

  • 現代的な敬語と誤認され、意味が誤解される可能性がある
  • 伝わらない表現として相手に不快感を与えることがある
  • 目上の方に不自然な印象を与え、信頼を損なう恐れがある
  • 公的な場での使用は場違いとされる可能性が高い
  • 一般社員との会話で使用すると浮いてしまう表現になりやすい

「おはす」のまとめ・注意点

「おはす」は本来、古典において「いらっしゃる」「おいでになる」という意味を持つ尊敬語でした。その使用対象は身分の高い第三者であり、語源や背景からも格式と敬意が込められた語です。近世以降になると芝居や語りの中で定型的に用いられ、特に時代劇において定番の言い回しとなりました。現代人にはその意味や使用法が曖昧に理解されがちで、実用の場面では不自然に響くこともあります。ビジネスや日常生活では通じにくいため、「いらっしゃる」や「おいでになる」など、現代の敬語表現に置き換えるのが基本となります。敬意を込めた表現ではありますが、その格式の高さと歴史的背景ゆえに、使用には細心の注意が必要です。誤用によって逆に敬意が伝わらず、相手に違和感を抱かせる恐れもあるため、特に目上の方や取引先との会話では用語選びに慎重さが求められます。場にふさわしい敬語を選ぶことが、円滑な意思疎通と信頼関係の維持につながります。

古語とは何か

古語とは、昔の時代に使われていた言葉のことで、現代ではほとんど使われなくなった語句を指します。たとえば『いとをかし』『あはれなり』『あいなし』などのように、今の会話では聞かれない表現がそれにあたります。これらは平安時代や鎌倉時代の文章、特に『源氏物語』や『徒然草』といった古典文学の中で使われており、その時代の人々の感情や考え方を知る手がかりとなるものです。現代でも古典の授業や伝統文化を学ぶ際に使われますが、日常生活ではほとんど用いられません。

古語の特徴

古語には、今とはまったく違う語順や助動詞の使い方があることが特徴です。また、一つの言葉に複数の意味があることも多く、文脈によって意味が変わることもあります。たとえば『あはれ』は、感動・悲しみ・愛しさなど、いくつもの感情を含んだ言葉であり、現代語にそのまま訳すことが難しいものです。そのため、古語を学ぶ際には、単に意味を覚えるのではなく、その背景にある文化や当時の生活まで理解することが求められます。

古語の他の言い方

古語にはいくつかの別の言い方があり、場面によって使い分けることができます。たとえば『旧語』という表現は、古語と同じように過去に使われていた言葉を意味しますが、より学術的・記録的な印象を与えます。また『古典語』という言い方もあり、これは特に古典文学の中で使われる言葉に限定して用いられることが多いです。さらに『昔言葉』という呼び方はややくだけた言い回しで、会話の中で親しみをこめて使われることがあります。いずれも内容としては似ていますが、使う相手や文脈によって選び分けることが大切です。

現代での使われ方

古語は学校の授業や古典文学の研究だけでなく、舞台演劇や時代劇の脚本、伝統芸能のせりふ、あるいは文学作品の中でも使われることがあります。特に歌舞伎や能などの世界では、今でも古語がそのまま使われており、当時の雰囲気や世界観を再現するための大切な要素となっています。一般の人にとっては難しく感じるかもしれませんが、意味を知れば知るほど、昔の人の感じ方や考え方に触れることができるため、学ぶ価値の高い分野と言えます。