「おくる」とは?意味は?使い方は?大河ドラマや古語・古典を詳しく現代風に解説

「おくる」とは?意味は?使い方は?大河ドラマや古語・古典を詳しく現代風に解説

古典における「おくる」は、本来「先立たれる」「後に残る」という意味を中心に持ち、特に誰かに先に死なれて後に取り残される心情を表す言葉として使われました。これは感情的な喪失や孤独感を含む文脈が多く、遺された者の側の視点で用いられます。成立は平安期から鎌倉期にかけて見られ、和歌や物語文学にしばしば現れます。一方、近世以降の口語では、「人を見送る」「手紙や物を送る」「役目として派遣する」「式を執り行う」といった具体的な行動を表す意味へと転化しました。江戸時代以降、特に武士の出立を見送る場面や、嫁入りを「おくる」など、儀礼的な意味合いが強調されることもあります。時代劇や大河ドラマでは、物語冒頭での旅立ちや出征、最後の別れなどで「わしが送ってやろう」「あの者をおくり出せ」といった使い方がされ、現代人にとっては単なる「送る」行動に見える場合でも、本来は儀礼的な重さや感情を伴っている表現です。現代ではこの重みが軽視され、単に「配送」「移動」の意味と混同されることが多くなっています。

一言で言うと?

  • 古典:愛する人に先立たれた者の悲しみ(To survive someone dear)
  • 近世:人を旅立たせる、出立を見送る(To see someone off)
  • 現代:物や情報を届ける、派遣する(To send, to dispatch)

「おくる」の一般的な使い方と英語で言うと

  • 先日のお手紙、無事にお送りいただき誠にありがとうございました。届いたことをご報告申し上げます。
    (Thank you very much for sending the letter the other day. I confirm its safe arrival.)
  • 本日中に資料をお送りしますので、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
    (I will send the documents by today. Please check them at your convenience.)
  • お見舞いとして果物をお送りいたしました。どうぞお気遣いなくお召し上がりください。
    (I have sent some fruits as a get-well gift. Please enjoy them at your convenience.)
  • 来週の会議には弊社から担当者をお送りしますので、当日は何卒よろしくお願いいたします。
    (We will dispatch our representative to next week’s meeting. We appreciate your support.)
  • ご退職に際し、ささやかながら花束をお送りさせていただきました。どうかお納めください。
    (We have sent a bouquet for your retirement. Please kindly accept our modest gesture.)

似ている表現と失礼がない言い回し

  • お届けする
  • ご送付申し上げる
  • お見送りする
  • 派遣いたす
  • お納めいただく

性格や人格として言われた場合は?

「おくる」は通常、性格や人格に対して直接用いる語ではありませんが、比喩的に使われる場合があります。たとえば「送り狼」という表現では、表面上は親切に見えても下心がある人物を暗示することがあります。人格における「送る」は、他人を支える、見届ける、道を示すといった側面を評価する表現にもなり得ます。ただし、使用には文脈の慎重な選定が必要です。

「おくる」のビジネスで使用する場面の例文と英語

  • 本日付で必要書類一式を貴社宛にお送りいたしましたので、ご査収のほどお願い申し上げます。
    (We have sent the necessary documents to your company today. Kindly check them.)
  • 新商品のご案内資料をメールにてお送りいたしますので、ご確認いただけますと幸いです。
    (We will send the product information via email. Your kind review is appreciated.)
  • 来月の研修には弊社の教育担当をお送りいたしますので、ご対応のほどよろしくお願いいたします。
    (We will send our training manager next month. Thank you for your cooperation.)
  • ご依頼の備品につきまして、明日発送の予定でお送りさせていただきます。
    (We will dispatch the requested equipment tomorrow.)
  • 当社代表が出席のため、お送りいたしますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
    (Our company representative will attend. We appreciate your consideration.)

「おくる」は目上の方にそのまま使ってよい?

「おくる」という言葉自体は丁寧な敬語表現と組み合わせることで、目上の方にも適切に使用できます。ただし、単独で「送った」「送ります」といった断定的な表現は避け、「お送りいたします」「ご送付申し上げます」などの謙譲表現を用いることが礼儀です。また、相手が受け取る側であることを重んじ、「お納めください」「ご査収願います」などの語とセットで用いると、配慮がより伝わります。命令や簡素な物言いと受け取られないよう注意が必要です。

  • 「送る」だけでは丁寧さに欠ける印象を与える
  • 謙譲語との併用が望ましい(例:お送りいたします)
  • 受取側の立場に配慮した言い添えが重要
  • 行動の断定ではなく意思の表明とする方が丁寧
  • 物理的な配送だけでなく、出席・派遣なども含める際は説明を明確にする

「おくる」の失礼がない言い換え

  • 資料をお届けいたしますので、ご確認いただけますと幸甚に存じます。
  • 先日ご依頼いただきました書類を、本日中にご送付申し上げます。
  • 担当者を会議に派遣させていただきますので、何卒ご協力をお願いいたします。
  • 記念品を同封し、お納めいただけますと幸いです。
  • ご出発の際は、弊社の者がご案内を兼ねてお見送り申し上げます。

注意する状況・場面は?

「おくる」という言葉は日常的に使われる便利な動詞ですが、その背景には相手との関係性や社会的立場が大きく影響します。たとえば、配送物を送るだけであれば「送る」で済む場面もありますが、目上の方への贈答、業務に関する資料送付、人の派遣や見送りの際には、適切な敬語や補足的な表現を加えなければ、命令的・無礼と受け取られる危険があります。特に、目上に向けて「送ります」などと言い切る形は避け、敬語と柔らかい語尾を使うことが大切です。さらに、相手が受け取る場面に対する想像が不足すると、丁寧な気遣いが欠けてしまうため注意が必要です。

  • 相手が目上や取引先である場合は、必ず謙譲語を用いる
  • 断定表現を避け、「いたします」「申し上げます」などの語尾にする
  • 単に物を送るだけでなく、相手の反応や感受も想定した表現が求められる
  • 派遣や出席などの場合は「お送りいたします」だけでなく目的も明示する
  • 贈答の際は「お納めください」など受け手への敬意を示す語と併用する

「おくる」のまとめ・注意点

「おくる」という語は、古典では「後に残される」意味から始まり、近世では「誰かを旅立たせる」「何かを届ける」行動を指すようになり、現代では手紙や荷物の送付に日常的に使われています。しかし、この言葉には常に人との関係性や立場、儀礼的意味が含まれており、使い方を誤ると無礼や不快を招く恐れがあります。特に相手が目上であったり、儀礼を伴う場面では、単純な言い切りではなく、丁寧な配慮と言葉選びが不可欠です。また、古典的な意味合いを理解しておくと、文学的・感情的な背景に敏感に反応でき、教養ある使い方が可能となります。現代の用法であっても、その背景には「人のために何かをする」という行為が根本にあることを忘れずに、適切な敬語と語調を用いるよう心がけるべきです。どんなに便利な語でも、相手の状況や関係性に応じて言葉を選ぶ姿勢が最も大切です。

古語とは何か

古語とは、昔の時代に使われていた言葉のことで、現代ではほとんど使われなくなった語句を指します。たとえば『いとをかし』『あはれなり』『あいなし』などのように、今の会話では聞かれない表現がそれにあたります。これらは平安時代や鎌倉時代の文章、特に『源氏物語』や『徒然草』といった古典文学の中で使われており、その時代の人々の感情や考え方を知る手がかりとなるものです。現代でも古典の授業や伝統文化を学ぶ際に使われますが、日常生活ではほとんど用いられません。

古語の特徴

古語には、今とはまったく違う語順や助動詞の使い方があることが特徴です。また、一つの言葉に複数の意味があることも多く、文脈によって意味が変わることもあります。たとえば『あはれ』は、感動・悲しみ・愛しさなど、いくつもの感情を含んだ言葉であり、現代語にそのまま訳すことが難しいものです。そのため、古語を学ぶ際には、単に意味を覚えるのではなく、その背景にある文化や当時の生活まで理解することが求められます。

古語の他の言い方

古語にはいくつかの別の言い方があり、場面によって使い分けることができます。たとえば『旧語』という表現は、古語と同じように過去に使われていた言葉を意味しますが、より学術的・記録的な印象を与えます。また『古典語』という言い方もあり、これは特に古典文学の中で使われる言葉に限定して用いられることが多いです。さらに『昔言葉』という呼び方はややくだけた言い回しで、会話の中で親しみをこめて使われることがあります。いずれも内容としては似ていますが、使う相手や文脈によって選び分けることが大切です。

現代での使われ方

古語は学校の授業や古典文学の研究だけでなく、舞台演劇や時代劇の脚本、伝統芸能のせりふ、あるいは文学作品の中でも使われることがあります。特に歌舞伎や能などの世界では、今でも古語がそのまま使われており、当時の雰囲気や世界観を再現するための大切な要素となっています。一般の人にとっては難しく感じるかもしれませんが、意味を知れば知るほど、昔の人の感じ方や考え方に触れることができるため、学ぶ価値の高い分野と言えます。