「危ない橋を渡る」意味は?言い換えは?ビジネスでも使える?使い方例文と英語では?
「危ない橋を渡る」という慣用句は、日本語で広く使われている言い回しで、「危険であると分かっていながら、あえてその行動に踏み切ること」を意味します。実際には、行動の結果がどうなるかは予測できず、失敗や損失を伴う可能性があるにもかかわらず、強い覚悟や意志をもってその選択をする状況を表します。
たとえば、周囲が反対するにもかかわらず、起業や独立を目指して会社を辞める人や、確実な成功が見込めないプロジェクトを推し進める判断などが「危ない橋を渡る」に該当します。直訳ではありませんが、英語では “to take a risk,” “to go out on a limb,” “to walk a tightrope,” “to take a leap of faith” などがこの日本語の慣用句に近い意味を持ちます。
この言い回しには、勇気ある行動という肯定的な意味もあれば、無謀・無計画という否定的な意味合いも含まれるため、使い方や文脈に細心の注意が求められます。特にビジネスの世界では、計画性を欠いた判断と取られることもあるため、丁寧な言い換えが重要となります。
また、この言葉は日常会話でもビジネス文脈でも登場しますが、相手の判断を評価したり、自分自身の行動を振り返ったりするときに使われることが多いです。あえて困難や不確実性に向き合い、自らの信念で行動を選ぶ――そのような場面でよく使われるのが「危ない橋を渡る」という慣用句なのです。
「危ない橋を渡る」の一般的な例文と英語で言うと
- 新規事業に乗り出すと決めたとき、私は成功の確証がなかったにもかかわらず、それでも危ない橋を渡る覚悟を持っていました。信じて前に進むしかないと心に決めたからです。
(I decided to launch a new business despite having no assurance of success. I had resolved to cross that dangerous bridge because I believed in moving forward.) - 大学受験直前に志望校を変更するなんて、まさに危ない橋を渡るようなことをしてしまいましたが、結果的に自分に合った選択だったと思います。
(Changing my preferred university just before the entrance exam was like walking across a dangerous bridge, but in the end, I think it was the right choice for me.) - 彼は会社を辞めてまで自分の夢を追うと決めた。それは明らかに危ない橋を渡ることだったけれど、応援したいと思えるほどの情熱があった。
(He decided to quit his job to pursue his dream. It was clearly a risky path, but his passion made me want to support him.) - 本当にその投資が正しい判断だったのか、今も分かりません。でも、あの時はどうしても危ない橋を渡ってでも挑戦したいという強い気持ちがありました。
(I still don’t know if that investment was the right choice. But at that time, I had such a strong desire to take that risk and challenge myself.) - 親に内緒で留学を決めたのは、自分にとって人生最大の危ない橋を渡る選択でしたが、後悔はしていません。あれがなければ今の私はいないと思います。
(Deciding to study abroad without telling my parents was one of the riskiest decisions I ever made, but I have no regrets. I wouldn’t be who I am today without it.)
似ている言い換え
- 火中の栗を拾う
- 無謀な挑戦をする
- 一か八かの賭けに出る
- 背水の陣で臨む
- 自ら危険に飛び込む
危ない橋を渡るをビジネスで使用する場面の例文と英語
ビジネスにおいて「危ない橋を渡る」は、リスクを伴う決断をする場面で使われることがあります。戦略転換、新規市場進出、大規模投資など、成功の確証がない中で強い意志を持って行動する局面を表します。
- 市場調査のデータが不十分な中で、急きょ海外展開を進めたのは、まさに危ない橋を渡るような決断でしたが、それでも結果を出せたのはチームの努力の賜物です。
(It was indeed a risky move to expand overseas without sufficient market data, but the results we achieved were thanks to the team’s hard work.) - 競合が撤退した分野にあえて参入したのは、非常に危ない橋を渡る決断でしたが、ブルーオーシャンを信じて挑みました。
(Entering a field where competitors had already withdrawn was certainly a risky decision, but we believed in the blue ocean strategy and took the plunge.) - あのタイミングで価格を大幅に下げることは、社内でも「危ない橋を渡る」とささやかれていましたが、顧客満足度の向上に繋がり、結果的には成功しました。
(Lowering prices significantly at that time was considered a dangerous move internally, but it led to increased customer satisfaction and proved to be successful.) - 新しいサプライヤーとの契約に踏み切るかどうか悩んでいましたが、信頼を築く覚悟で危ない橋を渡りました。
(I hesitated to sign with a new supplier, but I decided to cross the bridge with the determination to build trust.) - 業績が厳しい中、さらなる広告費を投入するのは非常に危ない橋を渡る判断でしたが、それが逆転のきっかけとなりました。
(Investing more in advertising during a tough financial period was a risky decision, but it became the turning point for our recovery.)
危ない橋を渡るは目上の方にそのまま使ってよい?
「危ない橋を渡る」という言い方は、カジュアルで少々刺激的な表現を含むため、目上の方や取引先との会話や文書ではそのまま使うのは避けた方がよい場面もあります。この言い方には「無謀」「軽率」といった否定的な印象を含む場合があるため、相手の判断や行動を揶揄していると誤解される恐れがあります。
とくにビジネス文脈では、慎重で落ち着いた言葉遣いが求められるため、「危ない橋を渡る」を使用する場合は、敬意を込めたやわらかい表現に言い換える工夫が必要です。たとえ自分の行動を指していたとしても、会話全体の雰囲気や相手との関係性を見ながら調整したほうが無難です。
- 相手の判断を尊重する姿勢を忘れない
- 自分の行動に使う場合でも軽はずみに聞こえない工夫を
- 丁寧で穏やかな表現に言い換える
危ない橋を渡るの失礼がない言い換え
- 本件については一定のリスクを承知の上で決断いたしましたが、最大限の準備を整えて進めてまいります。
- 簡単な道ではないかと存じますが、あえて挑戦することで可能性を広げたいと考えております。
- ご懸念の声も頂いておりますが、丁寧な対応を重ねながら慎重に進行してまいります。
- 結果が確約されない中での判断ではございますが、信念を持って推進しております。
- 安全策を講じつつ、新たな一歩として検討させていただいております。
適した書き出しの挨拶と締めの挨拶は?
相手への敬意と丁寧な配慮を伝えるには、文章の最初と最後の言葉が特に重要です。「危ない橋を渡る」に関連するデリケートな内容に触れる際には、落ち着いた口調と穏やかな敬語がふさわしいです。
書き出しをそのまま使用
- いつも格別のお引き立てを賜り、心より御礼申し上げます。
- 日頃よりご厚情をいただき、誠にありがとうございます。
- 平素より大変お世話になっております。改めて御礼申し上げます。
- ご多忙のところ、いつもご配慮を賜り厚く御礼申し上げます。
- 日増しに暖かくなる季節、貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
締めの挨拶をそのまま使用
- 今後とも変わらぬご厚誼を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
- 引き続きご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
- 末筆ながら、皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。
- ご不明点などございましたら、いつでもお気軽にご連絡いただければ幸いです。
- 今後ともお力添えを賜りますよう、お願い申し上げます。
注意する状況・場面は?
「危ない橋を渡る」という言い回しは、相手や場面によっては非常にデリケートに受け取られることがあります。とくに注意したいのは、次のような場合です。
- 相手の決断を否定的に見ていると誤解されるおそれがある場合
- 公式なビジネス文書や取引先への報告書において
- 目上の方やクライアントの行動に対して不用意に使用する場面
- 成果が出ていない段階での行動に対して、揶揄するように聞こえる場合
- 感情的・批判的な口調の中で使うと、責任逃れや皮肉と受け取られる可能性がある
細心の注意払った言い方
- 本件に関しては、挑戦的な面もございますが、十分な準備と検証を重ねたうえで取り組んでおりますので、ご安心いただければと存じます。
- 結果が確約されていない状況ではありますが、誠心誠意をもって取り組むことで、ご期待に沿えるよう尽力してまいります。
- ご不安な点もあるかと存じますが、慎重な進行を心掛け、都度ご報告を差し上げながら進めさせていただきます。
- 決して容易な選択ではございませんでしたが、状況を踏まえた上で必要な判断と捉え、責任を持って実行しております。
- ご懸念を真摯に受け止めつつ、細部にまで目を配りながら、丁寧に前進してまいりたいと考えております。
危ない橋を渡るのまとめ・注意点
「危ない橋を渡る」という慣用句は、危険やリスクを承知のうえで、あえて困難な選択や行動に踏み切ることを意味します。日本語独特の比喩的な表現でありながら、日常生活からビジネスまで幅広く使われる非常に印象深い言い回しです。
ただし、この表現には「無謀」「軽率」といった否定的な意味も含まれるため、使う相手や場面によっては誤解を生む可能性があります。とくに目上の方や取引先などに対しては、そのまま使うのではなく、丁寧な言い換えや説明を加えることが重要です。相手の判断や立場を尊重しつつ、自分の意思を伝えるための言葉選びが求められます。
また、「危ない橋を渡る」は、単なる勇気や挑戦を示す言葉ではなく、「準備や覚悟を持って、あえて難しい道を選ぶ」という責任の伴う行動を含意しています。そのため、軽はずみに使うのではなく、自分の言葉としての重みをしっかりと意識しながら、場にふさわしい表現を選びましょう。
正確な理解と適切な使い方を心がけることで、この慣用句は人間関係やビジネスの場でも強いメッセージ性を持ち、信頼につながる表現にもなり得ます。

