「物にする」意味は?言い換えは?ビジネスでも使える?失礼ではない使い方例文
「物にする」という言い回しは、日本語において非常に多面的な意味を持っていますが、最も一般的な意味は「目標や対象を確実に自分のものとして手に入れること」です。この言葉は、恋愛の場面では相手の心を射止めて交際に至ること、仕事においては企画や商談などを成功させて成果に結びつけること、また技術や知識を完全に自分のものとして習得することなど、多岐にわたる場面で使われます。「やりたいことを形にする」「成果に変える」「結果を勝ち取る」といった意味を内包しているため、努力の末に何かを実現・達成したというニュアンスが強く込められています。
この「物にする」という言い回しを英語で表すと、内容によってさまざまな訳し方が可能ですが、代表的な英訳としては “make something your own” や “turn it into reality”、または恋愛に関しては “win someone over”、技術習得なら “master” などが適しています。例えば、「アイデアを物にする」は “turn the idea into a reality”、「彼女を物にした」は “won her over”、「技術を物にする」は “master the skill” というように、使う場面に応じて柔軟に表現を変える必要があります。
この慣用句は、単なる取得という意味にとどまらず、努力や時間、工夫を重ねた末に何かを完全に自分の掌中に収めることを強調する意味を持っています。そのため、使い方を誤ると誤解を生む可能性もあります。特に恋愛の場面では、やや古風で所有的な響きがあるため、現代では慎重に使うことが望ましいです。
「物にする」の一般的な使い方と英語で言うと
- 彼はずっと狙っていた新商品企画を上司に提案して承認をもらい、ついに自分の手で物にした。 He proposed the new product idea he had been working on to his boss and finally made it his own.
- 長年練習してきたピアノの演奏技術を、彼女はようやく物にすることができた。 After years of practice, she was finally able to master her piano performance skills.
- あの人は営業力を武器にして、難しい取引を次々に物にしていくから本当に尊敬する。 I truly respect him because he uses his sales skills to close one difficult deal after another.
- 彼はチームの信頼を得るために、努力と行動を重ねてそれを物にした。 He worked hard and took consistent action to earn and make the team’s trust his own.
- ずっと片思いだった彼女を、告白して見事に物にした彼の勇気には驚いた。 I was amazed by his courage when he confessed and successfully won over the girl he had long loved.
似ている表現
- 自分のものにする
- 手中に収める
- 手に入れる
- 成果を上げる
- ものにする
- 成し遂げる
- 完全に習得する
- 実現する
- 成功させる
- 勝ち取る
「物にする」のビジネスで使用する場面の例文と英語
ビジネスの場では、「物にする」という言い回しは主にプロジェクトの成功、商談の成立、企画の実現、技術や知識の習得、顧客の獲得などの場面で使われます。この言葉は単なる取得ではなく、努力を通じて確実に成果を出したことを表現するため、やや強調的な印象を与える一方で、使い方を誤ると自己主張が強すぎると取られることもあるため注意が必要です。
- 今回のプレゼンでは、事前準備を徹底した結果、重要なクライアントの心を掴み提案を物にしました。
Thanks to thorough preparation, I successfully captured the client’s interest and secured the proposal. - 営業会議での提案が社長の賛同を得て、ついに案件を物にすることができました。
My proposal at the sales meeting won the CEO’s approval, and I finally secured the deal. - 技術導入に向けた交渉が長引いていたが、粘り強く対応し、導入を物にした。
The negotiation for the technology implementation took time, but persistence helped me bring it to fruition. - 新規顧客の獲得に向けたマーケティング施策が効果を上げ、見事に物にすることができた。
Our marketing efforts to acquire new customers paid off, and we successfully achieved the goal. - 社内の資格取得支援制度を活用し、必要なスキルを物にして昇進につなげた。
By using the company’s certification support system, I mastered the required skills and earned a promotion.
「物にする」は目上の方にそのまま使ってよい?
「物にする」という言い回しは、日常的な会話では問題なく使われることが多いですが、目上の方や取引先など丁寧さや敬意を重視すべき相手に対して使う際には注意が必要です。この表現にはやや俗的で所有感の強い響きがあるため、言い方によっては押しつけがましく感じられる場合があります。また、特に恋愛や感情の対象を「物にする」と表現するのは不適切な印象を与えることもあるため、公の場やメール文などでは避けた方が無難です。特にビジネスにおいては、成果を挙げたことを伝える際に、より柔らかく丁寧な言い回しを使う方が印象が良く、相手への配慮も伝わります。
- 成果を手にいたしました
- 実現に至りました
- 目標を達成する運びとなりました
- おかげさまで成功させていただきました
- ご支援を賜り、実を結ぶことができました
「物にする」の失礼がない言い換え
- 皆様のご協力のもと、提案内容が実現に至ることとなりましたのでご報告申し上げます。
- 本件につきましては、慎重に進めた結果、目標を無事に達成することができました。
- ご支援のおかげで、計画していた内容を形にすることができ、深く感謝しております。
- 長期間の準備と尽力を経て、ようやく実現の運びとなりましたことをご報告いたします。
- 今回の案件については、全力で取り組み、成果として結実いたしましたので共有いたします。
適した書き出しの挨拶と締めの挨拶は?
書き出し
- 先日はお忙しい中、お時間をいただき誠にありがとうございました。ご説明の機会をいただきましたことに、心より感謝申し上げます。
- 日頃より格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございます。おかげさまで、本件について進展がございましたためご報告させていただきます。
- 平素は格段のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。本日は、進捗についてご連絡させていただきたく存じます。
- 貴社のご支援のもと、業務を無事に遂行しておりますことを心より御礼申し上げます。今般の取り組みについてご報告させていただきます。
- いつも温かいご指導を賜り、誠にありがとうございます。取り組みの成果についてお伝えする運びとなりましたので、以下にご案内申し上げます。
締めの挨拶
- 引き続き尽力してまいりますので、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。何かございましたら、遠慮なくご指示いただければ幸いです。
- 本件についてご不明な点がございましたら、お気軽にお申し付けください。今後とも変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます。
- 末筆ながら、貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。何卒よろしくお願い申し上げます。
- 本件につきましては、改めて正式なご連絡をさせていただきます。引き続きご指導のほど、お願い申し上げます。
- ご多忙のところ恐れ入りますが、ご確認のほどよろしくお願い申し上げます。今後ともご愛顧のほど、心よりお願い申し上げます。
注意する状況・場面は?
「物にする」という言い回しは、日常生活やビジネスの会話の中で使うことができる便利な表現ですが、使用に適さない場面もいくつか存在します。特に恋愛や人間関係において、「人を物のように扱っている」という印象を与えることがあります。これは相手に対する敬意が感じられず、不快感を招く可能性があるため慎重さが求められます。また、目上の方に対して使う際にも、カジュアルすぎる印象を持たれることがあり、言葉選びとして不適切と判断されることがあります。ビジネスの文書やメールでは特に言葉の選び方に注意が必要で、「物にする」という言葉をそのまま使用するよりも、より丁寧で控えめな言い回しに言い換える方が無難です。相手の立場や関係性、話す場の雰囲気などをよく考慮して使うことが求められます。
- 恋愛で人を「物にした」と言うと所有感が強く不快感を与える
- 上司や取引先に向けた報告で使うと軽薄な印象を持たれる可能性がある
- 面接や正式な発表の場では品位に欠ける印象となる場合がある
- 達成感を強調しすぎることで、周囲に驕りと捉えられることがある
- メールなど文書では特に相手に配慮した柔らかい表現が求められる
細心の注意払った言い方
- ご助言とご支援を賜り、計画しておりました内容を実現に導くことができましたこと、深く御礼申し上げます。
- おかげさまで、目標としていた業務内容を遂行し、成果としてご報告できる状態となりましたことをご連絡いたします。
- 皆様からのご理解とご協力のもと、今回の取り組みを無事に形にすることができましたので、ここにご報告させていただきます。
- 長期にわたり準備を進めてまいりました案件が、皆様のご尽力により実現いたしましたこと、心より感謝申し上げます。
- かねてより計画しておりました施策が、皆様のご支援によりこのたび結実いたしましたことをご報告申し上げます。
「物にする」のまとめ・注意点
「物にする」という言い回しは、努力を通じて目標を達成したり、自分のものとして確実に成果を得たことを意味する便利な表現です。恋愛、仕事、学習、スポーツなど様々な場面で使うことができる一方で、その響きにはやや所有感や支配感といった印象が含まれるため、使用には一定の注意が必要です。特に人を対象とする場合や、ビジネスメールなどの丁寧な場面では、相手の受け取り方を十分に考慮することが求められます。そのため、「物にする」をそのまま使うのではなく、「成果を挙げる」「形にする」「実現する」などの柔らかく丁寧な言い回しに言い換えることが大切です。相手に配慮した言葉を選ぶことで、円滑なコミュニケーションが生まれ、信頼関係の構築にもつながります。普段何気なく使っている表現でも、場面や相手に応じて慎重に選ぶ姿勢を持つことが、社会人としての礼儀といえるでしょう。

