「盾(楯)にとる」意味は?言い換えは?ビジネスでも使える?失礼ではない使い方例文
「盾にとる」とは、他人や物事、自分にとって都合のよい主張や規則、あるいは立場などを言い訳や口実にして、自分を守ったり責任を回避したりすることを意味する慣用句です。この表現は、もともと戦場などで物理的な盾を身を守るために使ったことから派生し、比喩的に「誰かや何かを自分の正当性の根拠として持ち出す」という意味で用いられます。たとえば、「子どもを盾にとる」や「規則を盾にとる」などが使われ方の一例です。
この表現を英語で言い換えるなら、「use something/someone as a shield」「hide behind something/someone」「use as an excuse」などが近いです。たとえば、「He used his family as a shield」や「She hid behind company policy」などがこれにあたります。
「盾にとる」という言い回しは、たとえばある人が自分の不誠実な行動を正当化するために「上司の命令だった」と主張した場合、まさにこの慣用句が当てはまります。つまり、本心では納得していないことでも、第三者や制度を持ち出して「仕方なかった」と責任を回避する姿勢を表しており、しばしば批判的なニュアンスを伴います。ときには、無実の誰かを口実に使って非難を逃れようとする態度が問題視されることもあります。また、この言葉は特定の誰かを庇うような意味合いではなく、「あくまでも自己防衛のために利用する」という側面が強く現れています。つまり、盾は他者や制度への信頼ではなく、自己の利益を守るための道具として利用されている点が重要です。
「盾にとる」の一般的な使い方と英語で言うと
・彼は自分のミスを上司の指示のせいにして、責任逃れをしようと上司を盾にとった。
(He tried to avoid responsibility for his mistake by using his boss’s instructions as a shield.)
・親を盾にとって、自分ではなく家族の都合だからと言い訳ばかりしていた。
(He kept making excuses, hiding behind his family’s schedule rather than taking responsibility.)
・法の抜け道を盾にとって、不正行為を正当化しようとする人が後を絶たない。
(Some people continue to justify their misconduct by using legal loopholes as a shield.)
・子どもを盾にとって、あたかも自分は仕方なくそうしているかのように言い訳していた。
(She made it sound like she had no choice by using her child as a shield.)
・彼は「会社の方針だから」と会社を盾にとって、客の苦情から逃れようとした。
(He tried to deflect the customer’s complaint by using company policy as a shield.)
似ている表現
・言い訳にする
・~のせいにする
・責任転嫁する
・逃げ口上を使う
・口実にする
「盾にとる」のビジネスで使用する場面の例文と英語
ビジネスの場では、「盾にとる」は主に自分の立場を守るために規則、上司、会社の方針などを根拠にして、自分に対する責任や批判を回避しようとする際に使われます。状況によっては、顧客対応、社内の指示系統の問題、コンプライアンスの説明などにおいて使われることがあります。ただし、この表現は相手に責任逃れの印象を与える可能性もあるため、使用には注意が必要です。
・担当者は「この件は上層部の決定ですので」と経営陣を盾にとって、自身の責任を回避しようとしていた。
(The representative tried to avoid responsibility by using the management’s decision as a shield.)
・彼は「業界全体がこうしている」と業界慣行を盾にとって、自社の遅れを正当化していた。
(He justified his company’s delays by using industry practices as a shield.)
・部下は「規定にある通り」と規則を盾にとって、柔軟な対応を拒否した。
(The subordinate refused a flexible response by hiding behind the company regulations.)
・上司は「リスク回避のため」とリスク管理を盾にとって、挑戦を避けていた。
(The manager avoided challenges by using risk management as a shield.)
・カスタマー対応で「会社の決まりですので」と会社を盾にとって、納得のいく説明を避けていた。
(In customer service, he avoided giving a satisfactory explanation by using company policy as a shield.)
「盾にとる」は目上の方にそのまま使ってよい?
「盾にとる」という表現は、やや否定的で批判を含む印象を与えるため、目上の方や取引先に対してそのまま使用するのは避けるべきです。特に、「誰かを盾にとっている」といった言い方は、その人物が責任逃れをしているように聞こえるため、相手に不快な印象を与える可能性があります。また、「盾にとる」は日常会話では軽く使われることもありますが、正式な文書ややり取りにおいては、別の柔らかい表現に置き換えるのが無難です。直接的な批判と捉えられることもあるため、敬意や丁寧さを重視する場面では避けるのが賢明です。
・目上の方に対して失礼と感じられる可能性がある
・相手を責任逃れしているように見せてしまう
・誤解を生むリスクが高い
・批判的な印象を与える
・敬意を欠く印象になる恐れがある
「盾にとる」の失礼がない言い換え
・社内の方針に従い、このような判断とさせていただいております。
・上司の指示に基づき進めておりますことをご了承いただければ幸いです。
・社のガイドラインに沿った対応となっておりますこと、ご理解いただけますと幸いです。
・関係部署との協議の結果、このような対応をとらせていただく形となりました。
・制度上の都合により、このような対応となってしまいますことを何卒ご容赦くださいませ。
適した書き出しの挨拶と締めの挨拶は?
書き出し
・日頃より格別のご高配を賜り、心より御礼申し上げます。本日は一つご相談がありご連絡差し上げました。
・いつもお世話になっております。貴重なお時間をいただき恐縮ですが、以下の件につきご確認いただきたく存じます。
・平素は格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございます。大変恐縮ではございますが、本件につきご協力をお願い申し上げます。
・日頃より大変お世話になっております。このたび、業務の都合により調整のお願いがありご連絡差し上げました。
・平素よりご指導いただき、心より感謝申し上げます。本日は、方針に関わる件でご説明をさせていただければと思っております。
締めの挨拶
・今後とも変わらぬご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。ご不明点がございましたらお気軽にご連絡くださいませ。
・以上、何卒ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。引き続き、よろしくお願い申し上げます。
・お忙しいところ恐れ入りますが、何卒よろしくお願い申し上げます。今後も精一杯取り組んでまいりますので、引き続きご支援をお願いいたします。
・ご不明な点がございましたら、お手数ですがご一報いただけますと幸いです。引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。
・ご多用の折、恐縮ではございますが、本件についてご確認いただけますと幸いです。今後ともよろしくお願い申し上げます。
注意する状況・場面は?
「盾にとる」という言い回しは、相手に対して非難や責任逃れの印象を与えかねないため、使いどころには特に注意が必要です。この表現は、聞き手によっては「他人のせいにしている」と捉えられ、信頼関係に悪影響を与える可能性もあります。また、感情的な言い争いやトラブルの最中に使用すると、相手を挑発してしまうこともあります。特にビジネスの場面では、あからさまな責任回避と取られる表現は避け、丁寧で誠実な説明に置き換えることが重要です。
・感情的な議論中に使うと相手を刺激する可能性がある
・責任感のない人と受け取られることがある
・第三者を巻き込んだ対立に発展するリスクがある
・上司や取引先への説明としては不適切
・信頼関係を損なう可能性がある
細心の注意払った言い方
・大変恐れ入りますが、社内の方針に従い、現在のところこちらのご要望にはお応えしかねますことを何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
・本件につきましては、上司より正式に指示を受けた内容に基づき対応しておりますため、何卒ご了承いただけますようお願い申し上げます。
・お申し出につきましては重々承知しておりますが、関連部署との調整の結果、このような判断に至りましたことをご報告申し上げます。
・ご不便をおかけし誠に恐縮ではございますが、制度上の制約がございますため、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
・大変申し上げにくいのですが、社内ガイドラインに則った対応となっておりますため、今回の件につきましてはご希望に添えかねる可能性がございます。
「盾にとる」のまとめ・注意点
「盾にとる」という言い回しは、本来物理的な盾が持つ「自分を守る道具」としての意味から派生し、他人や制度、状況などを利用して自分の立場を正当化するために用いられる慣用句です。この言葉には、自らの責任を回避しようとする意図や、他人を言い訳に使うようなニュアンスが強く含まれており、軽率に使用すると相手の信頼を損ねる可能性があります。日常会話の中では比較的気軽に使われることもありますが、ビジネスや目上の方とのやりとりにおいては、表現に注意し、可能であれば別の言い方に置き換えることが望まれます。特に、責任を他者に押しつけているように聞こえると、誠意が感じられない印象を与えることがあり、慎重に扱うべきです。また、言い訳のような表現が続くと、かえって信頼を失う恐れがあるため、説明をする際には事実を丁寧に伝え、必要な配慮を加えることが重要です。自分自身の言葉で説明しつつ、相手への敬意を忘れない対応を心がけるようにしましょう。

