YTDとは?ビジネスでの意味・日本語での言い換え・言い回しての使い方と注意点
ビジネス用語としての「YTD(Year To Date)」は、「年初から現在までの期間」という意味で使われる略語です。たとえば、2025年3月の時点でのYTDとは、「2025年1月1日から3月末(あるいはその月の途中)までの累計」を指します。日本語では「年初来」や「今年に入ってから」といった言い回しにあたります。
YTDは、売上や利益、成績、費用、株価、アクセス数など、さまざまな業績や指標を把握するために使われます。年度単位の途中経過を知るために用いられることが多く、「今の時点で今年はどうなのか」を見える化するためにとても便利な考え方です。
企業の財務報告や業績資料、営業成績の進捗報告、マーケティングの分析結果などでも頻繁に登場します。たとえば「YTD売上高」と書かれていれば、「今年の初めから現在までに得られた売上高の合計」のことを指します。年度の全体目標に対して、どれくらいの進捗なのかを判断する材料にもなります。
YTDのメリットは、時間の経過とともに「今の地点」がどのような位置づけかを知ることができる点にあります。つまり、前年の同じ時期と比べてどうか、前年通年に比べてどの程度進んでいるかなどの比較が容易にできるのです。こうした比較により、戦略の見直しや目標の修正が必要かどうかを早い段階で検討することが可能になります。
なお、YTDは会計年度と暦年(1月〜12月)で異なる意味になることがあるため、その使い方には注意が必要です。多くの日本企業では、会計年度が4月始まりのため、「2025年度のYTD」と書かれた場合は、2025年4月から現在までの期間を指すこともあります。資料やレポートを作成する際には、「どの基準日からなのか」を明記することで、誤解を防ぐことができます。
まとめ
- YTDは「年初から現在までの累計」の意味
- 「年初来」「今年に入ってから」といった意味合いで使われる
- 主に売上や利益などの進捗を測るために使われる
- 前年との比較がしやすく、分析や戦略見直しに役立つ
- 暦年ベースか会計年度ベースかは文脈によって異なるため注意が必要
YTDを英語で言うと?
YTDは「Year To Date」の略で、そのまま英語でも「Year To Date」と表記・使用されます。読み方は「イヤー・トゥ・デイト」です。
YTDの言い換え・言い回しは?
- 年初からの累計
- 今年に入ってからの進捗
- 年度開始から現在まで
- 今期のこれまでの実績
- 年間途中までの集計
YTDが使われる場面
- 売上の進捗状況を報告する時
- 年度途中で目標達成率を確認する時
- 経費や支出の現状を把握する際
- マーケティング施策の成果を確認する際
- 株主や経営陣への業績報告書を作成する時
YTDを言い換えて失礼がない伝え方・目上・取引先に送る場合
- 今年の初めから現在までの実績について、資料にてご報告させていただきます。
(We would like to report the performance from the beginning of this year to the present.) - 年度開始以降の累計数値をまとめましたので、別添資料をご確認いただけますと幸いです。
(We have compiled the cumulative figures since the start of the fiscal year. Please see the attached document.) - 本年のこれまでの進捗を以下にご案内申し上げます。
(We would like to share the progress made so far this year.) - ご参考までに、今期開始以降の実績を集計いたしましたのでご確認くださいませ。
(For your reference, we have summarized the results since the beginning of the current term.) - 現在までの累積データを整理いたしましたので、添付の資料にてご覧いただければ幸いです。
(We have organized the cumulative data up to this point. Please see the attached document.)
YTD・社内メールで言い換えて使用する例文
- 年初からの売上実績を取りまとめましたので、ご確認いただけますと幸いです。
(Please find attached the sales performance from the beginning of the year.) - 今年度のここまでの進捗状況について、データを共有させていただきます。
(I would like to share the progress status for the current fiscal year so far.) - 現在までの集計値を資料にまとめました。次回会議の際にご説明いたします。
(I have compiled the cumulative figures to date and will explain them in the next meeting.) - 今期のここまでの状況を把握するため、社内用として一覧を作成しました。
(For internal use, I have created a summary to understand the current term’s progress.) - 上半期終了時点での数値を整理しましたので、必要に応じてご活用ください。
(We have organized the figures as of the end of the first half of the year. Please use them as needed.)
YTDを使用した本文
年初からのデータ報告を伝える場面
今年度の売上について、年初から現在までの累計データをまとめました。特に第1四半期の動きが顕著でしたので、重点的にご確認いただけますと幸いです。資料は別添にてお送りします。
(The cumulative sales data from the beginning of this fiscal year has been compiled. Please pay particular attention to the notable performance in the first quarter. The report is attached.)
実績と目標の進捗確認の場面
現在までの売上実績をもとに、年間目標に対する進捗を確認いたしました。約70%の達成率となっておりますので、今後の取り組みを再確認する必要がありそうです。
(We have reviewed the progress toward the annual goal based on the current sales performance. The achievement rate is approximately 70%, so we may need to reexamine our efforts moving forward.)
他部署とデータ共有する場面
他部門との連携を強化する目的で、現在までの数値を一覧にして共有させていただきます。ご不明点がありましたらお知らせください。
(To strengthen collaboration with other departments, we are sharing the figures to date in a summarized format. Please let us know if you have any questions.)
会議前の資料配布の場面
次回の定例会議に向けて、現在までの実績を一覧にいたしました。印刷版は当日配布予定ですが、先にPDFを送付いたしますのでご確認ください。
(A summary of the performance to date has been prepared for the upcoming regular meeting. A printed copy will be distributed on the day, but a PDF version is provided in advance for your review.)
定期報告での使用場面
月次報告の一環として、年初来の実績をご案内いたします。グラフ形式にて推移も確認いただけますので、併せてご覧いただければ幸いです。
(As part of the monthly report, we are providing the year-to-date results. A graph is also included for trend analysis.)
YTDをメールで使用すると不適切な場面は?
YTDという言葉はビジネスでよく使われますが、すべての相手に通じるとは限りません。特に取引先や顧客に向けた正式な連絡の中で、YTDとだけ記載してしまうと、業界に詳しくない方には意味が伝わらず、かえって混乱を招くことがあります。
また、日本語の文章に突然英語の略語が入ると、「専門用語ばかりで分かりにくい」「ややぶっきらぼうな印象」と受け取られる可能性があります。とくに初めて連絡を取る相手や、丁寧なやり取りが求められる場では避けた方が無難です。略語の意味を補足せずに使うことは、「相手の理解度を考えていない」という印象を与えてしまうこともあります。
そのため、相手によっては「年初からの累計」「本年のこれまでの進捗」など、分かりやすく丁寧な言い回しに言い換えることが重要です。相手への思いやりを言葉に込めることで、良好な関係を築くことにつながります。
YTD 細心の注意を払い誰にでも不快感を与えない伝え方
- 今年の初めから現在までの実績を資料にまとめましたので、ご確認いただけますと幸いです。
(The performance from the beginning of this year to the present has been compiled in the attached document.) - 年度開始からの進捗状況をお知らせいたします。ご参考までにご確認くださいませ。
(Here is the progress from the start of the fiscal year. Please review it at your convenience.) - 本年のここまでの動きについて、数字をもとにご報告申し上げます。
(We are reporting the performance up to this point in the year based on numerical data.) - 今期の途中経過として、これまでの集計データをご案内いたします。
(As a mid-term update, we are sharing the cumulative data so far.) - 年度途中の進捗を定期的に確認しており、今回のまとめをご共有いたします。
(We regularly review the progress during the fiscal year. Please find the summary attached.)
メール例文集
目上の方・取引先の企業へ言い換え適したメール例文
年初からの実績について伝える丁寧な文章
いつもお世話になっております。○○株式会社の山田でございます。本日は、今年の初めから現在までの実績についてご報告差し上げたくご連絡いたしました。添付の資料にて、詳細な数値および推移を記載しておりますので、ご確認いただけますと幸いです。ご不明な点などございましたら、どうぞご遠慮なくお知らせください。
期中進捗の確認を依頼する場合
平素より大変お世話になっております。現在の進捗状況について、年初からの累計を中心に確認いただける資料を作成いたしました。今後の施策に向けたご意見を賜れればと考えておりますので、可能な範囲でご確認いただけますと幸いです。引き続き、何卒よろしくお願いいたします。
顧客・お客様へ言い換え適したメール例文
実績報告として丁寧に連絡する場合
いつも弊社サービスをご利用いただき、誠にありがとうございます。これまでのご利用状況について、年初より現在までの実績をまとめたレポートを添付いたします。ご不明な点やご質問等ございましたら、担当までお気軽にご連絡くださいませ。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
利用状況の把握と提案の連絡
いつもご愛顧いただき、心より御礼申し上げます。本日は、お客様のこれまでのご利用実績をもとに、さらなる活用方法をご提案したく、データを添付のとおりお届けいたします。今後のご参考になれば幸いです。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
社内メールで使う際に言い換え適したメール例文
売上進捗の確認をチームに送る場合
皆さま、日々の業務ありがとうございます。今期のこれまでの売上進捗を集計いたしましたので、添付の資料をご確認ください。特に○月以降の数値に動きが見られましたので、次回の会議にて改めて共有させていただきます。
部門間でデータ共有する場合
お疲れ様です。部署間での情報共有として、現在までの累積データを取りまとめました。確認いただき、内容についてご意見や修正点があればご連絡いただけますと幸いです。引き続きよろしくお願いいたします。
YTD 相手に送る際の注意点・まとめ
YTDという言葉は、ビジネスではよく使われる便利な略語ですが、略して伝えることで逆に分かりづらくなる可能性があります。特に相手が英語に不慣れだったり、異なる業界の方であったりすると、「これは何を指しているのか?」と感じられてしまうかもしれません。
また、メールという文章だけで伝える手段では、略語は温かみがなく、機械的な印象を与えることもあります。だからこそ、相手の立場に立って「分かりやすく・丁寧に・誤解のないように」を意識した言葉選びがとても大切です。
YTDを使うときには、意味を明示するか、あるいは最初から「年初からの累計」や「現在までの進捗」と言い換えることで、すべての方に優しい配慮が行き届いたやり取りになります。ビジネスにおいては、正確さだけでなく、思いやりのある言葉づかいこそが信頼を深める一歩になります。

