「大目に見る」意味は?言い換えは?ビジネスでも使える?失礼ではない使い方例文
「大目に見る」とは、他人の失敗や欠点、過ちなどを厳しく責めずに、寛大な心で受け入れたり、見逃したりする態度を指す慣用句です。日常生活の中でよく使われ、特に人間関係において相手を責め立てるのではなく、状況や気持ちを考慮して許容するという温かみのある姿勢が込められています。この言い回しは、「怒ることもできるが、あえて怒らずにやり過ごす」といったニュアンスが強く、「思いやり」や「理解」といった心の余裕を感じさせるものです。例えば、部下が小さなミスをした場合に、上司がそれを責めずに受け流すような行動が「大目に見る」に該当します。また、親が子どものイタズラを微笑ましく受け流すときにも使われます。
英語では「let it slide」「turn a blind eye」「cut someone some slack」「overlook」などが該当します。いずれも細かい違いはありますが、共通して相手の間違いや欠点に目をつぶる、あるいは気にしないようにするという意味を持ちます。「cut someone some slack」は「手加減する」や「多めに見る」という意味合いで、「overlook」は「見逃す」、「let it slide」は「流してしまう」、「turn a blind eye」は「わざと見なかったことにする」という意味で使われます。これらはいずれも「大目に見る」とよく似た感覚を持っており、文脈に応じて使い分けることが可能です。温かさや親しみを表現する際には「cut some slack」、ある程度厳格な場面では「overlook」が適しているといえます。
「大目に見る」の一般的な使い方
・彼が今回遅刻したのは初めてだったし、寝坊だったようなので、私はあえて注意せず、大目に見ることにしました。
(Let it slide this time since it was his first time being late and he overslept.)
・子どもが牛乳をこぼしたけど、まだ小さいし、悪気がないと分かっていたので大目に見てあげました。
(I overlooked the fact that the child spilled the milk, knowing he’s still young and meant no harm.)
・納期が遅れた理由を聞いてみたら、体調を崩していたとのことだったので、今回は大目に見ようと思います。
(Since I heard the delay in delivery was due to illness, I decided to cut them some slack this time.)
・パートの方がレジでミスをしたけど、普段はとても丁寧にやってくれているので今回は大目に見るようにしました。
(The part-time worker made a mistake at the register, but I let it slide since she’s usually very meticulous.)
・友人が約束を忘れていたけど、忙しそうだったから大目に見ることにしました。
(My friend forgot our appointment, but I decided to turn a blind eye since she seemed really busy.)
似ている言い回し
・水に流す
・聞かなかったことにする
・見逃す
・手加減する
・目をつぶる
「大目に見る」をビジネスで使用する場面の例文と英語
ビジネスの場面では、「大目に見る」は部下のミスを受け入れたり、取引先の遅れを理解したりするなど、状況を受け入れる姿勢を表す際に使われます。ただし、使い方によっては軽く受け取られる可能性もあるため、適切な語調で伝えることが大切です。特に「初めてのミス」や「不可抗力な事情」に対して使うと、温かい対応として受け取られやすくなります。
・報告が遅れた件につきましては、事情を考慮し今回は大目に見させていただきます。
(I will overlook the delay in the report this time, considering the circumstances.)
・初めてのご担当ということもあり、多少の不備については大目に見たいと思います。
(Since this is your first time in charge, I intend to cut you some slack regarding minor issues.)
・納品遅れに関して、今回は特例として大目に見ることにいたしました。
(I have decided to make an exception and let it slide this time regarding the delayed delivery.)
・お忙しい中でのご対応だったこともあり、今回の誤記については大目に見ております。
(Given that you were handling this under time constraints, I am turning a blind eye to this typo.)
・まだ新人ということもあり、しばらくは多少のミスは大目に見る方向で考えています。
(Since the person is still new, we’re inclined to overlook minor mistakes for a while.)
「大目に見る」は目上の方にそのまま使ってよい?
「大目に見る」という言い回しは親しみやすく、日常会話では非常に便利な表現ですが、目上の方や取引先などに対して直接使うのは注意が必要です。というのも、「大目に見る」には相手の過ちを許容するという意味があるため、言い方によっては上から目線に受け取られてしまうことがあります。「大目に見ます」などと言ってしまうと、「こちらがあなたを許してあげる」といった印象を与えかねません。そのため、上下関係が明確なビジネス関係や礼儀を重んじる関係性の中では、より柔らかい言い回しや、事情を理解したことを示すような表現に置き換えることが好ましいのです。特に、相手が謝罪をしているような場面では、「理解しております」「ご事情を拝察いたします」といった言い回しを用いた方が、角が立たず円滑にやり取りを進めることができます。
・「大目に見ます」は、「許す」「見逃す」と同義で、上位者の態度に見える
・目上の人には「ご事情を察します」「ご理解申し上げます」などを使用する方が無難
・無理に許容を示さず、相手の努力や状況を尊重する言葉選びが求められる
「大目に見る」の失礼がない言い換え
・ご事情を拝察いたしますので、今回はこのままとさせていただきたく存じます。
・諸般の事情を考慮し、今回は問題として取り上げない方向で進めたいと考えております。
・初回ということもございますので、今回は特別に取り計らわせていただきます。
・今後の改善に期待し、今回は指摘を差し控えさせていただきます。
・事前のご連絡があったことも踏まえ、今回は不問とさせていただければ幸いです。
適した書き出しの挨拶と締めの挨拶は?
書き出し
・いつも格別のご高配を賜り、心より御礼申し上げます。些細な件で恐縮ですが、本日は一点確認のお願いがございます。
・平素より多大なるご尽力をいただき、誠にありがとうございます。恐れ入りますが、本件に関しましてご配慮いただきたく存じます。
・日頃より温かいご支援をいただき、厚く御礼申し上げます。今回の件につきまして、私からの所感を述べさせていただきます。
・いつも迅速なご対応をいただき、誠にありがとうございます。本日は一点、判断に迷う部分がございましたため、念のため共有させていただきます。
・日々のお力添えに心より感謝申し上げます。小さなことではございますが、本日ご相談したくご連絡を差し上げました。
締めの挨拶
・今後とも変わらぬご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。何卒ご容赦のほどお願い申し上げます。
・本件につきましては、重ねてご理解を賜れましたら幸いでございます。引き続きよろしくお願い申し上げます。
・今後の業務遂行にあたり、今回の件がより良い糧となりますよう努めてまいります。どうか今後ともご指導賜りますようお願いいたします。
・本件に関しまして、ご不明な点等ございましたらご遠慮なくお申し付けください。今後とも変わらぬお付き合いのほどお願い申し上げます。
・何かとご迷惑をおかけすることと存じますが、引き続きご厚情を賜れますようお願い申し上げます。
注意する状況・場面は?
「大目に見る」という言い回しは、使い方を誤ると相手に不快な印象を与える可能性があります。特に、立場が対等でない相手に対して「大目に見てあげる」といった言い方をすると、上から目線に聞こえることがあるため注意が必要です。また、相手が真摯に謝罪しているときや、既に責任を感じているときに軽く「今回は大目に見ます」と言うと、その謝罪の気持ちを軽視するような印象を与えてしまいます。さらに、ビジネスメールの中で不用意に「大目に見る」という言葉を使ってしまうと、文面がカジュアルになりすぎてしまい、信頼関係に影響を与える可能性があります。丁寧な対応が求められる場面では、別の言い回しに置き換えることが望ましいでしょう。
・相手が年上、もしくは取引先である場合
・相手が明らかに責任を感じているとき
・謝罪や訂正を申し出ているとき
・ビジネス文書やメールでの使用時
・トラブルの初期段階で、誤解を生む可能性がある場合
細心の注意を払った言い方
・今回の件につきましては、諸事情を十分に理解しておりますため、改めて問題とすることは控えさせていただきます。
・経緯を拝見したうえで、当方としては厳しく対応する意図はございませんので、今後のご対応にご期待申し上げます。
・貴社のご状況も承知しておりますので、本件は特段の指摘を差し控えたく存じますが、引き続きのご配慮をお願い申し上げます。
・当方としては本件を深刻に捉えておりませんが、今後同様の事象が生じないようご留意いただければと存じます。
・事情をご説明いただき、誠にありがとうございました。今回については特に問題視しておりませんので、安心していただければと存じます。
「大目に見る」のまとめ・注意点
「大目に見る」という言い回しは、柔らかく温かい気持ちを表現する便利な言葉ではありますが、使う相手や場面によっては誤解を招く可能性があるため、慎重な使用が求められます。特にビジネスや礼儀を重視する関係性においては、「大目に見る」という直接的な言葉を避け、相手の事情を理解する姿勢を言葉にすることが重要です。「事情を拝察する」「今回は指摘を控える」といった丁寧な言い回しにすることで、相手に配慮の気持ちをしっかりと伝えることができます。さらに、使いどころを見極めることで、無用な誤解や信頼の失墜を防ぐことができます。あくまでも寛容な心を示すための手段として、「大目に見る」は丁寧かつ相手本位で使用することが大切です。日常の会話では自然に使えても、立場や文脈に応じて言い換えを考える柔軟さを持つことが、良好な関係維持の鍵になります。

