憚る(はばかる)
読み方
はばかる
意味
他人の目や意見を気にしてためらう、遠慮する、または気兼ねすることを指します。また、場合によっては、勢いが盛んで周囲に威圧的な影響を与える様子を意味することもあります。
語源
「憚る」は「憚(はばかり)」が語源で、「差し控える」「慎む」という意味を持ちます。また、古くは「障害」や「妨げ」というニュアンスも含まれていました。
言い換えると
- 遠慮する
- ためらう
- 気にする
- 威張る(威圧的な意味の場合)
使用する注意点
- 前後の文脈によって、遠慮を表す意味か、威圧的な意味かを明確にする必要があります。
- 古風で文語的なニュアンスを持つため、フォーマルな文章や特定の場面で適切に使用することが求められます。
目上の方に使える言葉?
目上の方にも使用可能ですが、威圧的なニュアンスで使う場合は避け、文脈に応じて適切な言い回しを選ぶべきです。丁寧な表現を心がけましょう。
ビジネスで適した例文
- ご多忙かと存じますので、お伺いすることを憚っておりました。
- 他の意見を尊重し、強く主張することを憚りました。
- 不明点についてお聞きすることを憚りながらも、確認させていただきます。
- 会議の場で雰囲気を乱すことを憚り、発言を控えました。
- 詳細なご説明をいただく前に、お礼を申し上げるのを憚りました。
どういう場面で使う言葉?
- 他人の意見や気持ちを気にして行動を控える場面
- 慎重に物事を進めたい場合
- 威圧的な態度や振る舞いを指摘する場面
使用した例文を5例
- 彼は遠慮を憚ることなく、自分の意見を堂々と述べた。
- 周囲を憚って、本音を口にすることができなかった。
- 上司の存在を憚り、社内での話題を選ぶようにしている。
- 大声で話すのは周囲を憚る行為だと感じた。
- そのリーダーは誰をも憚らず、堂々と意見を述べていた。
失礼に当たる使い方
- 威圧的な意味で相手を批判するような使い方をする場合。
- 遠慮の意味で使用する際に、過度に慎重すぎる印象を与える場合。
- 相手の行動を「憚る」と断定し、意図を誤解される場合。
英語で言うと?
“To hesitate”(ためらう)や “To intimidate”(威圧する)が適しています。
どうしてその単語になったか
“To hesitate”は遠慮やためらいを表し、”To intimidate”は威圧的な態度を示すため、「憚る」のニュアンスを適切に表現します。
英語での使用例
- “She hesitated to speak her mind out of respect for others.”
(彼女は他人への配慮から本音を話すのを憚った。) - “He doesn’t hesitate to express his opinions boldly.”
(彼は意見を堂々と述べることを憚らない。) - “The leader’s intimidating presence made everyone reluctant to speak.”
(そのリーダーの威圧的な存在が、皆を発言することを憚らせた。) - “He hesitated to interrupt the meeting with his questions.”
(彼は会議を質問で中断することを憚った。) - “Her intimidating tone made the team cautious about responding.”
(彼女の威圧的な口調が、チームを返答に慎重にさせた。)