琴線に触れる(きんせんにふれる)
読み方
きんせんにふれる
意味
人の心の奥深くにある繊細な感情や感覚に共鳴し、強い感動や共感を引き起こすことを指します。特に、美しい音楽や詩的な表現、心温まる出来事などに触れた際に使われます。
語源
「琴線」は琴の弦を意味し、心の中の微妙で繊細な感情を象徴する比喩として使われます。「触れる」はその感情を揺り動かすことを表しています。この表現は、琴の弦が触れられると美しい音色を奏でる様子を人の感情に重ね合わせたものです。
言い換えると
- 心に響く
- 感動を与える
- 深く共感する
- 感情を揺さぶる
使用する注意点
- ポジティブな感動や共感を表現する場合に使われます。ネガティブな文脈では適していません。
- 比喩的な表現であるため、文脈によって意味が伝わりにくい場合があります。
目上の方に使える言葉?
目上の方にも使用できますが、具体的な内容を補足して使うとより丁寧になります。
ビジネスで適した例文
- お客様の心の琴線に触れる商品づくりを目指しています。
- 彼のプレゼンテーションは、琴線に触れるような説得力がありました。
- この広告は、消費者の琴線に触れるストーリーを重視しています。
- クライアントの琴線に触れる提案をすることが、成功のカギとなります。
- 社員一同が琴線に触れるメッセージを伝える活動を行っています。
どういう場面で使う言葉?
- 感動や共感を生む出来事や作品を表現する際
- 特定の人の感情に響く行為や言葉を伝える場面
- 音楽や文学、アートなどの芸術的な感動を表現する際
使用した例文を5例
- その映画のラストシーンが、私の琴線に触れ涙を誘った。
- 子どもの笑顔に触れ、心の琴線が揺さぶられる思いだった。
- 作曲家のメロディーが、聴く人々の琴線に触れる力を持っている。
- 彼女の詩は、読む者の琴線に触れる美しい表現に満ちている。
- 被災地での彼の献身的な行動が、多くの人の琴線に触れた。
失礼に当たる使い方
- 相手の感情を軽視する形で使うと、不快感を与える可能性があります。
- 比喩としての意味が通じにくい場面で、不自然な文脈で使用する場合。
英語で言うと?
“Strike a chord”(共感を呼ぶ)や “Touch one’s heart”(心に触れる)が適しています。
どうしてその単語になったか
“Strike a chord” は感情的な共鳴や強い共感を表し、”Touch one’s heart” は深い感動を与えるニュアンスを持つため、「琴線に触れる」の意味に対応します。
英語での使用例
- “His speech struck a chord with everyone in the audience.”
(彼のスピーチは観衆全員の琴線に触れた。) - “The story touched my heart deeply.”
(その物語は私の心に深く触れた。) - “Her song struck a chord with fans around the world.”
(彼女の歌は世界中のファンの琴線に触れた。) - “The heartfelt gesture truly touched everyone’s hearts.”
(その心のこもった行動は本当にみんなの心に触れた。) - “The movie’s message struck a chord with young audiences.”
(その映画のメッセージは若い観客の琴線に触れた。)